モモコグミカンパニーの居残り人生教室「美容室に行くとわくわくする理由」

「もっとお客様に尽くす」ために独立

モモコ:オオモトさんが手がけるインナーカラーとかInstagramで見ると、「この人だったら素敵なカラーリングにしてくれそう」っていう気持ちにさせてくれますよね。私、BiSHに入ってから自分の強みをどう見せたらいいのかすごく意識するようになって、「どうやったらSNSのフォロワー増えるかな」ってよく考えたりするんですけど、髪の色を変えて画像をアップしたらリツイートされることが増えたんです。それもあって髪染めるのも自己表現の一つだと気づいたというか、そういう意味でもオオモトさんには感謝してます。

オオモト:モモコさん、前からハイトーンカラーにしてますよね。

モモコ:はい。私、背が小さいからステージ上でも人一倍大きく動かないと後ろまで伝わらないんですよね。でも髪を染めることによって少し目立てるというか、よりお客さんに見つけてもらえる気もしてます。オオモトさんは原宿の大きな美容室で12年働いて、今年の5月に下北沢に「WOM」という自分のお店をオープンしたじゃないですか。前のお店では店長さんを務めていたオオモトさんが、なぜこのタイミングで独立しようと思ったんですか?

オオモト:スタイリストになるというステップを経て、次は自分のお店を持つことを目標に掲げてたから。20年以上続いている美容室の中で役割がしっかりあるポジションに就かせてもらって、自分がやりたいこともほとんどやらせてもらった。オーナーには感謝してるし恵まれた環境でいろいろ学んだし、でもここでゼロになって一からまたスタートしたいと思ったんです。もっとお客様に尽くしたいというか。

だから表参道、原宿、銀座のように「美容室」っていうイメージが強い場所じゃなくて、少しミステリアスな感じにしたくて下北沢にしたんですよね。場所で検索して来てもらうというよりは、「あの美容室に行こう」と思ってもらいたかった。僕が作るヘアスタイルやお店のために足を運んでもらえたらいいなと思って。まだ試行錯誤中だけど、そうやって自分に常にプレッシャーをかけて進んでいきたい……っていうのはあります。

モモコ:WOMというお店の名前の由来は?

オオモト:頭文字のWは「Watashi」、Mが「Me」、両方とも「私」ですよね。Oは「Others」で「その他」「他人」とか。私が私らしくあるために、他者と交わる場所。そういう意味があります。もう一つの意味は、Wが「Woman」、Mが「Man」、Oが「Others」、性別の垣根を越えていろんなヘアスタイルに挑戦してもらいたいし、自分もそういうスタイルを提案できたらなと。女性は女性らしい髪型じゃなきゃいけないとか、男性は男性らしい髪型じゃなきゃいけないとか、そういうのを取っ払っていきたい。

モモコ:オオモトさんの表現にインスパイアを与えてくれるものって何かありますか? 音楽とか映画とかファッションとか何でもいいんですけど。

オオモト:ジョジョですね。

モモコ:マンガの『ジョジョの奇妙な冒険』ですか?

オオモト:そうです。僕は「その組み合わせ、ありえないでしょ」っていうカラーの混ぜ方をする時があるんですけど、ジョジョ好きな人だったら意図が分かってくれると思います(笑)。実は色鮮やかなんですよ、ジョジョって(と言いながらイラスト集を出してくる)。ほら。

モモコ:鮮やか! すごいですね。



オオモト:作者の荒木飛呂彦先生は音楽、ファッション、絵画にも造詣が深いから、水面の反射とかダイレクトな色使いとか、昔からある技法やルネッサンスの絵画をモチーフにしてたり。服も何気なく描いてるように見えるかもしれないけど、コレクションラインから派生したようなものだったり、すごくSF的というか。

モモコ:オオモトさんが好きなのがなんとなく分かる気がします。

オオモト:青と黄色を混ぜて出すカラーとか、配色の感じもすごくて。もちろんストーリーも好きです。主人公たちがブレないし、仲間たちとのチーム感も見えてくる。言い回しも独特で、セリフの一つひとつの言葉が突き刺さるんです。

モモコ:カラーっていう点だとジョジョ以外で何か刺激になるものってありますか?

オオモト:ジョジョ以外だと亜熱帯の植物や生物とか。変わった色のカエルとか、ああいうのを見たりしてます。

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