カナダ発、3人殺害の10代容疑者2名はヒトラー、プーチン、トランプに心酔

3人を殺害した容疑でカナダ当局から指名手配されているカム・マクラウド(19歳)とブライアー・シュメゲルスキー(18歳)(Photo by RCMP HANDOUT/EPA-EFE/Shutterstock)

2人の10代のカナダ人のものとみられるソーシャルメディアのアカウントに、極右白人至上主義的な過激な内容が含まれていたことが判明した。2人のうち1人は、ナチスの腕章をつけてポーズをとった写真も複数投稿していた。

ブライアー・シュメゲルスキー容疑者(18歳)とカム・マクラウド容疑者(19歳)は、3人の殺人事件に関与したとしてカナダ王立騎馬警察から指名手配されている。被害者のうち2人はハイキング中だったチナ・ディーズさん(23歳)とルーカス・ファウラーさん(24歳)のカップルで、現地時間7月15日にブリティッシュコロンビアの農村部を走るアラスカハイウェイの路肩で死んでいるのが発見された。3人目の被害者、ブリティッシュコロンビア大学祖植物学部の講師、レオナード・ディックさん(64歳)は、ディーズさんとファウラーさんの死体発見現場から数百マイルのところで発見された。また現場から1マイルほど離れた場所では、シュメゲルスキー容疑者とマクラウド容疑者が乗っていたワゴン車が炎上していた。

炎上した車両を発見した後、警察は当初シュメゲルスキー容疑者とマクラウド容疑者を行方不明者に分類した。だが、2人がサスカチュワン州北部からマニトバ州にかけて移動しているのが目撃されたため、殺人事件の捜査の重要参考人物とした。当局は2人が武装していて危険だと考えており、見かけても絶対に近づかないよう警戒を呼び掛けている。

動機に関してはいまだ明らかではないものの、トロントの新聞グローブ・アンド・メール紙は、容疑者2名はIllusive Gameing(原文ママ)というアカウントと何らかの関係があったと伝えている。YouTubeやTwitch、SteamといったゲームサイトにはIllusive Gameingのアカウント名義のページがあり、プロフィール写真にはヒトラーの第三帝国のシンボル、鷲の紋章が掲載されていた。

シュメゲルスキー容疑者とオンラインで対戦したことのあるSteamのユーザーも同紙の取材に対し、シュメゲルスキー氏がヒトラーや第三帝国に傾倒していたこと、それが理由で最終的に連絡するのを辞めたことを明らかにした。紙面では身元は明かされていないが、このユーザーは2018年秋から、カギ十字のついた腕章や、ドイツ語で「血と名誉」と彫り込まれたナイフとみられる写真をシェアしていた。またガスマスクを装着したシュメゲルスキー容疑者が映った写真や、軍の作業服を着て空気銃を抱えた若い男性の写真などもあったという。シュメゲルスキー容疑者の父親アラン・シュメゲルスキー氏はコーストマウンテンニュース紙の取材に応じ、数カ月前に息子と軍払下げ物資の店に言った際、ナチス関連の商品に強い関心を示していたと語った。ただし、息子がナチズムに傾倒していたという説は否定し、息子はウラジミール・プーチン大統領とドナルド・トランプ大統領のファンだったと述べた。

Translated by Akiko Kato

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