タイの国民的ポップスター、Stampが日本から世界をめざす理由

―話を戻すと、メジャーデビューするまでにはどういう過程があったんですか。

Stamp:最初は下積みというか、タイではよくパブで演奏する文化があるんですけど、そういうところやバーで演奏したりしてきましたね。バンドのバックアップをすることもあったし、裏側の制作、作詞作曲に関わることからスタートしました。

―そんな下積み時代を経て、今ではタイのトップアーティストとして活躍されてますけど、そこに至るまでのあいだにターニングポイントみたいなのはあったりしたんですか?

Stamp:最初は裏側で制作していたのが、自分の歌を作り始めるようになり、そこから徐々にテレビに出演する機会も増えてきて。コツコツと努力を積み重ねていったことで、今のステータスに上がってきた感じがしますね。

―やっていけるなって手応えを感じたのはいつ頃ですか。

Stamp:自分のワンマンライブに、たくさんの人が来てくれた時かな。最初のスタートから7年目くらいでようやくワンマンライブができて、本当にいろんな人たちが来てくれました。さっきも話したように、タイではパブとか小さなイベントでライブをやることが多いので、ワンマンを大きい会場でやるのがなかなか難しくて。それが実現できたのはすごく嬉しかったですね。


Photo by Takuro Ueno

―その後、2012年に初来日したそうですね。その頃は音楽制作のスランプに陥っていたとか。

Stamp:もともと日本が好きで、ずっと行ってみたかったんですよ。落ち込んだりスランプになったりすると、何か新しいことを始めたり、自分の好きなものにすがりたくなったりするじゃないですか。そういう感じで日本に来ました。

―なるほど。

Stamp:あと、タイにいる時は自分のステータスでいろいろ考え込んじゃうけど、日本にいると誰も私のことを知らないし、息抜きもしやすいですよね。そういう心の拠り所みたいな感じでした。

―日本のゲームやアニメも好きなんですよね?

Stamp:最近はやり込む時間があんまりないけど、幼いからずっと好きでした。アニメやゲームとかを見ると、子供の頃を思い出して懐かしい気持ちになりますね。

―具体的にはどのあたりが好きですか。

Stamp:『ろくでなしBLUES』です。

―これまた意外な。

Stamp:いやー、面白いです。ちょうど高校時代に読んだので、自分自身を投影してしまって。

―Stampさんとヤンキー漫画はなかなか重ならないですよ(笑)。

Stamp:そうだね(笑)。日本の少年マンガは夢や友情、情熱をたくさん描いているところが好きです。


日本人アーティストとのコラボも行なってきたStamp。「GAME OVER」はYMCKとのコラボ曲で、双子ラッパーのP.O.P.も参加。

―あと去年来日した時、欅坂46のTシャツを買ってたそうですね?

Stamp:はい(笑)。

―お好きなんですか?

Stamp:もともとアイドルに興味はなかったんですけど、タイでBNK48が人気があって。彼女たちがきっかけで研究するようになったんです。BNKからAKB、AKBから乃木坂、欅坂みたいな感じで。最初はしっかり聴いてなかったけど、音楽的にも面白いし、励ますようなメッセージをもつ歌詞もすごくいい。僕はタイで「123Records」という自分のレーベルをやってるんですけど、いつかそういうアイドル系のグループをプロデュースするのが夢です。

―ちなみに、欅坂46のメンバーでは誰が好きですか。

Stamp:平手友梨奈さんですね。

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