4. Troubadourで行われた初のアメリカ公演で「クロコダイル・ロック」は演奏されていない
エルトン・ジョンのキャリアにおける最大のターニングポイント、それは1970年8月25日にTroubadourで行われた初のアメリカ公演だ。観客を圧倒した同公演の様子は本編で細部まで再現されているが、その場で披露されるトーピンとの共作「クロコダイル・ロック」が完成するのは、実際にはその2年後のことである(揚げ足を取らせてもらうなら、同公演が行われたのは月曜ではなく火曜だ)。
5. Troubadour公演の1週間前にニール・ヤングは同会場でライブをしていない
Troubadourの小ささに驚くエルトンを前に、オーナーのDoug Westonはニール・ヤングが2週間前にそこを満員にしたと話す。当時ヤングはCSNYとしてのツアーを終えたばかりであり、会場はどこもTroubadourよりも遥かに大きかった。ヤングがそこでライブをしたのはエルトンの公演から1年以上前であり、それ以降一度も出演していない。
6. ジョンがバックバンドのメンバーと初めて会ったのはライブ当日ではない
Troubadourでのライブが決まったとDick Jamesから聞かされると、劇中のエルトンは不安そうな表情を見せる。というのも、彼にはまだバックバンドさえいなかったからだ。自分が何とかすると話したRay Williamsを信じ会場に向かったエルトンは、現場でメンバーたちと初めて顔を合わせる。実際はどうだったかというと、ロサンゼルスに行く4ヶ月前の1970年4月から、エルトンはドラマーのナイジェル・オルソンとベーシストのディー・マレーと共にイギリス各地で演奏している。
7. バンドにギタリストが加わったのは1970年
Troubadour公演でエルトンのバックを務めたのはマーレイとオルソンの2人のみだった。映像こそ残っていないものの、当日の演奏はライブアルバム『11/17/70』で聴くことができる。彼らのバンドにギタリストのデイヴィー・ジョンストンが加入したのは1972年だ。マレーは1992年に逝去したが、Troubadourでのライブから49年後の現在でも、オルソンとジョンストンは彼のバックで演奏を続けている。