サマソニ現地レポ BLACKPINKの快進撃は続く、幕張を揺るがした無敵モード

MCでは「サマーソニックは初出演なのですが、みなさん楽しんでますか?(JENNIE)」「みなさんこんばんは!(JISOO)」「今日は一緒に楽しく遊びましょう!(ROSÉ)」「サマソニ、WHAT’s UP~! 今日はいろんな曲を準備したので、私たちと一緒に最後まで盛り上がっていきましょう(LISA)」と、流暢な日本語で挨拶。JISOOの「知っている方は一緒に歌ってください!」の呼びかけと共に始まった「STAY」は、アコギを軸とした原曲とは違った浮遊感のあるシンセや哀愁漂うエレキ・ギターの音色が、センチメンタルな楽曲の魅力を引き立てる。

4曲目の口笛ソング「WHISTLE」はLISAとJENNIEのスワッグなラップが特徴だが、Bメロの《出会いが過ぎ去る》というフレーズをJENNIEが韓国語のまま歌ってしまって苦笑い……なんてキュートなハプニングも。そんなJENNIEが「まだまだ盛り上がれますよね〜? 次は新しいアルバムの曲です!」と告げて最新EP『KILL THIS LOVE』より3つの新曲を立て続けに披露。タイトルトラックの「Kill This Love」では、勇壮なホーンとマーチング・ドラム、見えないショットガンをぶっ放す強烈なキリング・パート、バック・ダンサーを引き連れた圧巻のフォーメーション・ダンス、そして4人のエモーショナルな歌声が大観衆のボルテージをグングンと引き上げていく。




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昨年のコーチェラで最大のハイライトとなった「ビーチェラ」を彷彿とさせる「Kill This Love」だが、筆者は10年前にこのMARINE STAGEで貫禄のヘッドライナーを務めたビヨンセのステージを思い出していた――。サマソニ20年の歴史は、フェスにおける女性アーティストたちの躍進、K-POPを含むアジア圏の音楽シーンの活況、ロックもヒップホップもメタルもEDMもアイドルもお笑いも一挙に楽しめる「カオス」なまでの多様性、それらすべてを先読みしながら我々に提供してきた「挑戦」の20年だったといっても過言ではない。来年はオリンピック・イヤーのため開催休止が決定しているが、ミレニアムの2000年から続いた第一章を締めくくり、次なるフェーズに移行しようとする今年、メイン・ステージでBLACKPINKが数万人のオーディエンスをドッカンドッカンと沸かしている光景は感動的ですらある。しかも、2010年に一足早くサマソニに出演したYGの兄貴分=BIGBANGが活動休止状態の中で、そのBIGBANGを長らくサポートしていたThe Band Sixを引き連れ、彼らでさえ果たせなかったコーチェラ出演などの偉業を成し遂げた前人未到のストーリー。SNSでは、同じく今年コーチェラ・デビューを飾ったPerfumeとのナンセンスな比較が多数見られた時期もあったが、今や両者はユニバーサル・ミュージックを通じたレーベルメイトでもある。そういう意味で、冒頭のあ〜ちゃんの発言は痛快だった。

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