サマソニ現地取材 タッシュ・サルタナという「天才」を作り上げた音楽的ルーツ

ー1stアルバム『Flow State』にテーマやコンセプトはありますか?

タッシュ:『Flow State』というタイトルからも分かる通り、滑らかに流れる状態を導いてくれるアルバムなの。あなたの周囲にある全ての景色と、あなたの内側の全てが同時に一体となる、そんな状態よ。

ーそのコンセプトでアルバムを作ろうと思った何かきっかけでも?

タッシュ:私もそうありたいと願っているから。じっとしてピースフルでいることが私にはできないようなの。だから私なりの方法を探し求めている。私はすぐ自分に抵抗したり、周囲の人に抵抗したり、決めたことを辞めてしまったり。だから”フロー・ステイト』(=滑らかに流れる状態)にあればいいんだろうなと。いい日もあれば、悪い日もある。いい扱いを受ける日もあれば、ひどい扱いを受ける日もある。でも、その間を上手く流れていくことが大切じゃないかと思っている。

ーライブ中は全てひとりで演奏を? それともエンジニアが音を止めたり、ある程度の操作はしている?

タッシュ:私が全てひとりでやっている。サウンド・ループを作って、それをトラックに入れていく。大抵は5つのトラックかな。まずはリズム・ギターのトラック。それから、たぶんベースのトラック、ドラムのトラック。そうやって作ったトラックを、いつでも止めたい時に、私が止められる。途中でエディットもできるし、ビートをいじったり、プログラミングしていくの。



ーどうしてこのようなスタイルに?

タッシュ:どうしてだろう。いろいろひとりでやってるうちにかな。でも、もうすぐバンドもやる予定なの。どういうバンドになるかは分からないけど、次のアルバムでやってみるつもり。バンド編成と、このループをやるワンマン・スタイル、それにひとりでやるアコースティック・スタイル。この3つを考えている。

ータッシュの音楽を聴いていると、歌詞のテーマやサウンドから、自然との調和や一体感を強く感じるのだけれど。

タッシュ:私は海の近くに住んでいるし、森にも近いところに住んでいる。その影響じゃないかと思うな。文明社会の近くにいるのは好きじゃない。できることなら火星に住んでたいくらい(笑)。でも時々街に出掛けたり、人と会ったり交流するのは嫌なわけじゃない。ただ住む場所は静かなところがいいの。その点、オーストラリアは自然が豊かだし、ひとつの大国ではなく、多くの小国で成り立っている。地域によって方言が異なっていたり、様々な文化があるの。そういうことって大切だわ。




Photo by Yosuke Torii



<リリース情報>

『フロー・ステイト(ジャパン・エディション)』ジャケット写真.jpg

タッシュ・サルタナ
『フロー・ステイト(ジャパン・エディション)』
発売日:2019年7月24日(水)
国内盤CD(SICP-6185)
¥2,200+税
歌詞対訳付、ボーナストラック3曲追加収録、オリジナル・ジャケット写真
試聴・購入リンク:
https://lnk.to/TS_FlowStateAW

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