ハリウッドザコシショウ、狂気の「芸」が生まれた背景と10年続けた動画投稿


静岡出身芸人のコンプレックス

─ザコシさんは静岡県清水市(現・静岡市清水区)出身ですよね? 大阪、東京と転々とした今でも、ネタ中に「だっけや」、「バカすげえ」とか静岡弁が色濃く残っているのが印象的です。


ザコシ:最初は静岡で同級生とコンビを組んで、高校卒業してすぐ大阪NSCに入学したんですよ。5週連続で勝ち抜けば吉本興業に所属できるっていう吉本二丁目劇場のオーディションがあったんですけど、僕らは静岡弁が強いから大阪のお客さんが引いてしまって笑いにならなくて。そこで万国共通のものを入れようと思って考えたのが、ツッコミのタイミングで「喚く(わめく)」とか「発狂」を入れるということで。そこから芸風がおかしくなっていったという感じです(笑)。

─静岡弁でやるとウケないから、変化球的に奇声を発したらウケたと。

ザコシ:ウケてはいないんですけどね(笑)。



─(笑)静岡の人は地元が好きな印象があります。

ザコシ:今は好きなんですけど、若い時は静岡出身というのが恥ずかしくて。ちょっと中途半端な感じがしてダサいと思っていたんです。だから高校を卒業してすぐ大阪に行ったし、吹っ切れてわざと強く静岡弁を話していたこともあります。それを同期のケンドーコバヤシとか中川家とかが面白がって、静岡弁で関東寄りのツッコミをするようなことをしていて(笑)。同期間ではそういうやりとりしていました。

─高校を出て、東京に行こうという選択はなかったんですか?

ザコシ:養成学校に入ろうと思ったとき、ダウンタウンさんを輩出したNSCと、ウッチャンナンチャンさんを輩出した日本映画学校(現:日本映画大学)があって。学費を見たらNSCは当時入学金5万円だったんですよ。相方が貧乏だったので選択肢が大阪のNSCしかなかった。もし相方が裕福だったら、日本映画学校に行っていたかもしれないし、芸風もアンジャッシュみたいになっていたかもしれないですね(笑)。芸風も一緒に絡む人によって変わってきますから。実際、静岡にいた時は内気で、こんな頭おかしいことをやるような性格じゃなかったんです。誰の影響かって言ったら、バッファロー吾郎、なだぎ武さん、リットン調査団、そこら辺と絡んだからこうなっちゃったんですよ(笑)。



Rolling Stone Japan 編集部

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