ハリウッドザコシショウ、狂気の「芸」が生まれた背景と10年続けた動画投稿

ザコシのお笑い原体験

─大阪の人だと、子供の頃から劇場に連れて行ってもらったり、土曜日に新喜劇をTVで見たり、笑いの原体験があるじゃないですか。でも静岡ってお笑いの劇場はないしTVで新喜劇もやってない。ザコシさんのお笑いの原体験ってどこにあるんでしょう?


ザコシ:大阪の芸人さんで言えばダウンタウンさんですね。でも一番影響されたのは、ビートたけしさんとドリフターズさん、あと竹中直人さんです。昔、深夜番組をザッピングしていたら、たまたま竹中直人さんの番組「東京イエローページ」にたどり着いて、竹中さんが白目を剥きながらヨダレを垂らして絶叫するコントをやっていたんです。「これはすごいなあ、こんなお笑いあるんだ」と思ってハマっちゃって。最初は自分でそういうことをやろうとしても、なかなか笑いにならなかったんですよ。最近でこそ、単独ライブとかでやっても受け入れられるようになってきましたけど。単独ライブは11年くらい前からやっていて、今一応世間で広まった誇張モノマネも、単独ライブの中でやっていた「ものまね30連発」ってコーナーをちょっと分かりやすくしただけなんですよね。30連発の中のいいやつだけ8個連発してR-1仕様にしただけ……なんの話でしたっけ(笑)?

─竹中直人さんの影響の話です(笑)。

ザコシ:そうだ(笑)。ツッコミなしでリアクションだけの東京のお笑いって本当に難しいですよね。竹中さんも元々コメディアンで世に出ましたけど、映画が好きで、演技の延長としての間の取り方をしていたり、そういう部分もあるから笑えるんでしょうね。



─静岡の人って、気質でいうと穏やかじゃないですか。ご自身が大阪に行ってNSCに入った時、カルチャーショックは感じましたか?

ザコシ:そりゃあ、感じましたよ(笑)。皆すごく前に出てくるから。今でもそれはちょっとしんどい時はあります。大阪では、つまんない芸でもとりあえず前に出ておけば、ちょっと人気が出てくるようなところもあって、最初は自分はできなくてしんどかった。そこをカバーしたのが、頭のおかしいハイテンション芸だったんです。今はもう慣れちゃって、そこまでしんどいなと思う時はないですけどね。一度コツを掴んでしまえば、「あーザコシショウだ。変なモノマネするんでしょ」っていう感じで見てくれてるから(笑)。

Rolling Stone Japan 編集部

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE