スパイダーマンの俳優トム・ホランド、MCUを離脱「最高の5年間だった」

難航した契約交渉の結果、8月半ばにソニーとマーベルのパートナーシップ解消が明らかになった。それにより、今後MCUがスパイダーマン映画を製作できる見通しも立っていない。スパイダーマン離脱の原因のひとつとして、ソニーは「フェーズ4」作品や新しい動画配信サービス「Disney+」などのプロジェクトによってファイギ社長に課せられる業務量の増加を挙げた。

ファイギ社長はD23 EXPOのマーベルのパネルディスカッション中に今回の状況について言及しなかったものの、エンターテイメント・ウィークリー誌にはこのようにコメントしている。「スパイダーマンに関して私が感じているのは感謝と喜びの気持ちだ。MCUはスパイダーマンが主役の映画2本と、アベンジャーズの3本で合計5本の映画を製作した。こんなことは夢にも思っていなかった。でも、こうした関係はいつまでも続かない。私たちに与えられた時間が限られていることはわかっていたし、思い描いていたストーリーを語ることもできた。それについて私は感謝の気持ちを忘れないだろう」。

D23 EXPOにて、米ローリングストーン誌のシニア・ライターを務めるジャミル・スミスは、『アベンジャーズ』でホランドと共演した俳優たちにスパイダーマンのMCU離脱について意見を求めた。

「ものすごくがっかりしてる」とスカーレット・ウィッチ役のエリザベス・オルセンは言った。「軽やかさ、エネルギー、ユーモアを備えたスパイダーマンは、とても大切なプラスの要素。アベンジャーズシリーズにあまりに多くのものを与えてくれたから、本当に残念だわ」。

スミスのインタビューに対し、MCUシリーズでヴィジョンを演じたポール・ベタニーは、D23 EXPOやコミコンなどのイベントにホランドがいなくなることの寂しさを語った。「(ホランドは)いつもハッピーで、光のような存在なんだ。セットやこうしたイベントに彼がいないなんて、本当に寂しくなる。彼は才能あふれる俳優だ」。

『The Falcon and the Winter Soldier(原題)』に主演するセバスチャン・スタンとアンソニー・マッキーも仲間のアベンジャーズのスターについて口を揃えた。「まだ希望を捨てたわけじゃない」とソニーとマーベルの復縁の可能性についてスタンは言った。「『最終的にはうまくいきますように』ってみんなが思ってる。だって、スパイダーマンがいないなんて不自然すぎるから。ケヴィン・ファイギ社長を信じるしかない」。

「それに、茶化す相手がいなくなってしまう。スパイダーマンがいないのは、ヒールのないブーツを履くようなもんさ」とマッキーがつけ加えた。

テレビドラマ『エージェント・カーター』に出演したヘイリー・アトウェルは、MCUファンとスクリーンのスーパーヒーローたちとの感情的な結びつきに言及した。「ただのハッピーエンドで終わるとは限らないの。他人が自分の思い通りにならなかったり、そばにいてくれるとは限らなかったり、必ずほろ苦い現実を示す必要がある。」とアトウェルはスミスに語った。「人生における大切な教訓よ。いつかはすべての人が直面することなんだから」。


Translated by Shoko Natori

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