エアロスミスのメンバーが解説する、ラスベガス公演セットリストの全貌

「やりたい気持ち」(1975年)

ハミルトン:
セットの初めの方でこの曲をやるというアイデアはジョーのものだ。俺は観客に感謝を伝えるライブの後半に入れるべきだと思っていた。そこで、ジョーは試してみることを提案して、それから何度も様子を見てみた。今ではセットの前半にこの曲を演奏しているけど、この曲独自の効果とインパクトが十分に発揮されているよ。この曲のベーシックな部分、ペース・パート、ベーシックなギター・パートは俺が作った。そのあとで、スティーヴンが歌詞とボーカル・パートを作ったんだよ。

ウィットフォード:この曲をライブの前半でやる理由が俺にはわからない。大胆な変化球って感じだ。今後、プレイする位置が変わる可能性はあると思う。この曲は大ヒット曲だし、とてもユニークな曲でもある。トム・ハミルトンのための曲と言ってもいい。この曲はクラシック・ロックのラジオ局で永遠に流される曲だよ。

タイラー:ベガスでは90分間しか演奏できないから、その間にヒット曲を全部入れなきゃいけない。そのため、仕方なくセットの前半に移動した曲もあるんだ。この曲はセットのどこでプレイしても観客の反応が凄まじいよ。

「ハングマン・ジュリー」(1987年)

ウィットフォード:この曲も人によっては初めて聞く曲だね。でもこの曲をプレイした時点から全体のスピードを落とし始めるんだ。そして、スティーヴンとジョーがステージの前方で椅子に座り、玄関先のポーチでジャムっている感じのセッションを行う。これもユニークな曲で、スティーヴンが思い付いたアプローチは見事と言うしかないよ。

ハミルトン:これはブルース曲だけど、とても芳醇で濃厚な空気感が漂っている。それにフックがてんこ盛りだ。バンドがこの曲をプレイしようという気になるまで何年もかかったけど、今では毎晩演奏しても大丈夫だから、セットにこれが入って俺は満足だね。バンド全員がこの曲をこのままセットに残す気になってくれると嬉しいが、どこかの時点でこの曲を他と入れ替えることになるだろうね。でも、この曲を演奏するときの照明が最高にカッコいいんだよ。

「折れた翼」(1974年)

ハミルトン:これも寂しげだけどパワフルな空気感を持った曲だ。それに静寂でダークなパートから、一気にパワフルなコーラスが広がるダイナミックな曲でもある。俺はこの曲が大好きだね。70年代のエアロスミスの音楽が好きなファンもこの曲がお気に入りの人が多いよ。

ウィットフォード:これもスティーヴンがほとんどのパートを作った曲で、彼にとっては特別な曲なんだ。この曲をプレイしてほしいというリクエストがひっきりなしにくる。セットに入れないと、観客がこの曲をやってくれと必ず言うんだよ。ベガスでは毎晩この曲をやっていて、とにかく人気の高い曲だね。この曲自体のフィールも、この曲を聞いた人が受ける印象も、かなり独特なものがあるよ。

Translated by Miki Nakayama

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE