DIR EN GREY 薫が語る創作の裏側「意味を求めるとどうしても時間がかかってしまう」

DIR EN GREY(Courtesy of DIR EN GREY)

9月18日に最新シングル「The World of Mercy」をリリースしたDIR EN GREY。<痛み>をキーワードに唯一無二の世界観を描いてきたバンドがたどり着いた30枚目のシングルは10分という長尺の楽曲。「The World of Mercy」の話題をフックにDIR EN GREYのリーダー・薫(Gt)に話を聞いた。

―去年9月にリリースになった4年ぶりのアルバム『The Insulated World』からちょうど1年でのリリースですね。「The World of Mercy」のお話を伺う前に、前作について振り返らせてください。『The Insulated World』はバンドとしては10作目となるアルバムで、とにかく激しく、そしてエモーショナルで、音だけで圧倒される内容でしたが、リリースから1年が経過し、薫さんはどんな作品として捉えていますか?

もう次(「The World of Mercy」)が出来上がっているので、だいぶ昔のものっていう感覚ではあるんですけど、思い出してみれば『The Insulated World』を作るにあたっては、あまりこざかしい感じには聴かせないようにとか、変な意味じゃなく、得意分野をなるべく入れ込まないようにしましたね。あとは、激しいアルバムを作ろうという意識が強かったです。その激しさは、メタルっぽい激しさではなく、ハードコア寄りというか、感情を前面に出していく激しさに持って行きたいなと思って作ったアルバムでした。そういう意味では、時間が経ってみると「もっといけたな」って思うところもありますよ。でも、あの時点であの作品を作ったっていうのは大きかったと思っています。

―得意分野を使わないようにしたということですが、具体的に言うと?

アレンジですね。バンドのクセというか、これで曲として成立できるだろうというアレンジはなるべく使わないようにしました。例えば、メロディアスな部分は出てくるけど、そこを全面に押したアレンジにはしなかったり、少しだけ出てきて終わっちゃったりとか。あるいは、歌える箇所があったとしても、全曲通した時に歌が重要視されている風には感じないよう作りました。それでもやっぱり、メロディの部分は出てきますけどね。

―なぜ得意分野を避けたのですか?

いつもと同じになってしまうからです。先ほど話した通り、その時は激しさと感情を全面に出した作品にしたかったので、いつものように持っていくといつものような音像になることが予想できた。そうなると、前に作った『ARCHE』というアルバムの音像が残っちゃう感じになるなと思ったんです。

―では、感情を全面に出そうと思ったのは?

原点回帰とまで言わないですけど、バンドがもともと持っている感情的な激しい部分を今に置き換えて出してみるとどうなるのか、と思ったからです。

―制作は割とギリギリの進行だったと聞いていますが、敢えてギリギリに進めて、初期衝動のような感情の爆発を狙ったんですか?

狙ってギリギリにはしていないです(笑)。敢えてキリギリにして狙ったというよりも、初期衝動のように聴かせるのに時間がかかりましたね。“初期衝動でガッと作りました”みたいな曲でも、すごく時間をかけて作っているんです。はじめにメンバーみんなで曲出しをした時、割とミディアムな曲が多かったんですよ。年齢による俺らの旨味を出そうとすると、自然とそうなっていくんですが、それをグワーっと初期衝動を感じさせる音に捻じ曲げていったので、その作業に時間かかりました。

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