グレイトフル・デッド、必聴アルバムガイド

ボブ・ウィアー、ミッキー・ハート、ジェリー・ガルシア、フィル・レッシュ 1968年撮影 Malcolm Lubliner/Michael Ochs Archives/Getty Images

必聴作や隠れた名盤、そしてボブ・ウィアー、ミッキー・ハート、ジェリー・ガルシア、フィル・レッシュ、その他のメンバーのソロ作まで、グレイトフル・デッドというバンドを知る上で鍵となる作品の数々を一挙掲載。

万華鏡のようなサイケデリア、素朴なカントリーロック、そして壮大なジャムセッションまで、膨大な数を誇るディスコグラフィーの中から、聴き逃し厳禁のアルバムと楽曲の数々を紹介する。

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必聴:『ライヴ/デッド』(1969年)
延々と続いた『アオクソモクソア』の制作中に産み落とされたこの2枚組アルバムは、初期グレイトフル・デッドについて知る上での決定盤であると同時に、史上最高のライブアルバムの有力候補でもある。ライブにおける普遍のハイライトである「ダーク・スター」の歴史的名演や、フィル・レッシュによる11分の8拍子を用いた極彩色の「イレヴン」等を収録。ロン「ピッグペン」マッカーナンが手がけたヒッピーライダーのR&B「ターン・オン・ユア・ラヴ・ライト」、ジェリー・ガルシアの本領が発揮される「デス・ドント・ハヴ・ノー・マーシー」も必聴だ。

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必聴:『ワーキングマンズ・デッド』(1970年)
カントリーへの傾倒と、クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤングが誇るヴォーカルハーモニーに感化されて生み出された、アメリカーナのゴッドファーザーたる一枚。アコースティックサウンドを中心とし、ガルシアのソングライティングとロバート・ハンターの歌詞が高次元で結びついた名作中の名作だ。「アンクル・ジョンズ・バンド」は、バンドのペルソナと仲間意識を讃えてみせる。コカイン漬けの男の物語を歌った「ケイシー・ジョーンズ」は、バンド史上初めてラジオでヒットした曲となった。

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必聴:『アメリカン・ビューティ』(1970年)
『ワーキングマンズ・デッド』と同時期に制作され、同作からわずか4ヶ月後にリリースされた『アメリカン・ビューティー』では、メンバーたちの新たな音楽的関心がソングライティングに如実に反映さえている。そのサウンドは前作よりもやや肉厚で明るく、楽曲単位では彼らの最高傑作と言えるかもしれない。デッドの真骨頂たる「リップル」とレッシュによる「ボックス・オブ・レイン」、バンドがカレッジ系カルトヒーローからスタジアムバンドへと脱皮するきっかけとなった、最年少ボブ・ウィアーの手による即興ダンスジャム「シュガー・マグノリア」「トラッキン」等を収録。

Translated by Masaaki Yoshida

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