INORANライブレポ「今が全霊」を見せつけたステージ

いろんなものを巻き込むINORANのライブ空間

ふと、アルバム『2019』でのインタビューを思い出した。このアルバムの曲にはレコード会社のスタッフがコーラスで参加している曲が何曲かある。そうした発想に対して「そのほうがこのアルバムに愛着が湧くと思うんですよ。皆に自分のものって思ってほしいし、自分と思ってほしい。それが理想だと思うんですよね。だからみんなに参加してほしい」とINORANは語っていた。ライブも同じなんだと思う。そこにいる全員が自分のライブだと思い、全力で楽しむ。その時初めて二度と訪れない奇跡のような瞬間が訪れる。スタッフも関係者も巻き込んで、否、参加させて、この日のライブも始まりの時を迎えようとしていた。

定刻少し過ぎ。メンバーとINORANが円陣を組み、気合を入れる。メンバーの登場前に、筆者と東京から旅を共にしたラジオDJのDAVE FROMM氏と二人でMCとしてステージに上がり前説をさせてもらった。前説の締めはDAVE氏のツアータイトルのコール。DAVE氏の「INORAN TOUR 2019 COWBOY PUNI-SHIT !!」のコールでメンバーがステージに登場した。

ライブはニューアルバムの1曲でもある「Gonna bteak it」からスタート。ハードな演奏にオーディエンスも身体を揺らし、ライブハウスも揺れた。続いて「COWBOY PUNI-SHIT」「You’ll see」とアルバムの曲順通りに最初の3曲を演奏し、ニューアルバムをひっさげてのツアーを堪能するINORAN、メンバー、そしてオーディエンス。

3曲目の演奏後にMCを挟み、金沢に来ることができたことへの感謝を告げ、4曲目に突入。このパートでは過去の曲も披露し、会場に一体感を生んだ。そして、M7の「One Big Blue」の後、長いMCを挟んだ。最近観たという映画の話をするINORAN。詳細は割愛するが、その映画を観て、INORANはこう感じたそうだ。“今が全霊だ”と。「大切なのは今。過去じゃない。右でも左でもない。上でも下でもない。今。今を楽しもう。今を大切にしよう。そして、後ろではなく前を見て行きよう」とMCを締め、INORANソロの名曲「Beautiful Now」を演奏し、音でメッセージを届けた。


Photo by ヤマダマサヒロ


Photo by ヤマダマサヒロ

その後はニューアルバムからミドルテンポで少し切ないナンバー「Don’t you worry」を演奏。更にアコギを持ちニューアルバムに収録されているアコースティックナンバー「Starlight」を披露し、オーディエンスの心を掴んだ。

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