ラッパ我リヤが語る『ヒプノシスマイク』の面白さ

声のプロフェッショナルとしての高い表現力

ー『ヒプノシスマイク』の声優陣のラップについては、どんな魅力を感じますか?

Mr.Q やっぱり、声を職業にしている方たちだから、間のとり方ひとつにしても表現力があるんですよ。

山田マン プロフェッショナルなんですよね。「カラオケでただ歌が上手い人」と「プロ」との違いと同じで、自分たちの表現にしてくれていて。ちゃんとラッパーになってくれていて、感心させられました。

Mr.Q たぶん、人前でやるかどうかは別にして、みんなモノマネとかも上手いんじゃないですか? 特徴を吸い上げるのが上手いし、声のトーンも色々で、いろんな声を出せる。僕らも勉強になる部分が多いですね。若干テクニカルなことも入れたけど、それも全部クリアしてくれて。お互いにとっていい出会いだったんじゃないかと思います。

山田マン 世界から見たときに、これがまた別の面白い見え方もしそうなんで、そこも楽しみですよね。



ーローリングストーン誌でも、ロックスター=ラッパーという時代になっていますが、そのうえアニメのビジュアルで、世界観があって、ドラマパートがある『ヒプノシスマイク』は、日本にしかできないオリジナルな表現なのかもしれません。

Mr.Q そういう意味でも、これからの展開が楽しみですよね。ヒップホップはもともと何でもありなカルチャーなんだから、最終的にカッコよかったら「何でもいいんじゃない?」と思うし、『ヒプノシスマイク』の場合は、そこにキャラクターの魅力が加わって、そのうえドラマトラックも、ストーリーがかなりしっかりしていて。いろいろ考えられていますよね。

山田マン 流れがちゃんとある。

Mr.Q  「何で戦うのか」という話もよくできていて、それに、すごくラップの作品だし、ラップ・ミュージックだと思います。『ヒプノシスマイク』をきっかけに俺らのことを知ってくれて、『ULTRA HARD』を聴いてくれたり、いろんなヒップホップを聴いてくれたりしたら、それもうれしいです。俺たち自身、しばらくアルバムを出さなかった時期はムカつくことや悔しいこともあったけど、「一番面白くて笑ってたのは何だったのかな?」と考える中で、今は単純に面白いものをやろう、という気持ちになってます。純粋に面白いことをやることで、結局魅力的になることは、俺ら自身がよく分かってるんで。




ラッパ我リヤ
1993年に三善善三と共に結成され、後にQ、山田マン、DJ TOSHIの3名のメンバーで活動開始。96年に初の単独名義となるミニアルバム『ヤバスギルスキル Pt.2』をリリース。98年には1stフルアルバム『SUPER HARD』を発表、インディーズながらも約7万枚のセールスを記録した。2000年、Dragon Ashとの「Deep Impact feat. ラッパ我リヤ」がオリコン総合2位にランクインし、累計セールスはミリオンに至る。ジャンルの壁を越えたコラボレーションにも積極的に参加し、幅広い層からの人気を得る。2ndアルバム『ラッパ我リヤ伝説』は20万枚のセールスを記録。そして2017年、2000年のコラボ以降、約17年ぶりのKj (Dragon Ash)とのコラボ曲や、MURO、サイプレス上野、KOJIMA(山嵐)、韻踏合組合等が参加した8thアルバム『ULTRA HARD』をリリースした。

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