キング・クリムゾンのR・フリップ、ボウイのアルバム参加貢献が認められず抗議

キング・クリムゾンのロバート・フリップ(Dave J Hogan/Getty Images)

キング・クリムゾンのロバート・フリップ、ボウイのアルバム『HEROES(英雄夢語り)』と『スケアリー・モンスターズ』の制作に参加したにもかかわらず、貢献度が理解されていないと、デヴィッド・ボウイ・エステートへ主張。

キング・クリムゾンの共同設立者でギタリストのロバート・フリップは、デヴィッド・ボウイの1977年のアルバム『英雄夢語り』と1980年のアルバム『スケアリー・モンスターズ』に参加した自分のクレジットが適切でないとして、デヴィッド・ボウイ・エステートと論争していると述べた。9月24日に自身のFacebookページの投稿で明らかになったのだが、フリップが「歴史的な不正」のルールと呼ぶものに邪魔されて、参加したボウイのこの2枚のアルバムでの自分の貢献が周知されていないと主張している。

フリップの投稿によると、件のアルバムで彼は「フィーチャーされたプレイヤー」だったと断言する。そして「この『フィーチャーされたプレイヤー』の認定評価はブライアン・イーノ、トニー・ヴィスコンティ、デヴィッド・ボウイ自身(当時この言葉は使用されていなかったが)、世論という法廷で40年前からなされている」と説明する。

今年初めに行われたローリングストーン誌のインタビューで、フリップはこの2枚のアルバムで行ったボウイとイーノとの作業について語っていた。「彼ら二人と一緒でも同じだった。『これが背景だ、ロバート、あとは好きにやってくれ』と言われ、演奏して何度も笑いあった。本当に楽しかった。

「デヴィッドに聞くとしたらコードだけだった。そうすると、1時間かけて譜面を起こす必要がなかったし、新鮮な気持ちで演奏に没頭できた。『これがパートのマップだ。じゃ、やってくれ』と言われるんだよ。本当に素晴らしかった」と、フリップ。

しかし、Facebookにアップした投稿では、PPLの規則によってボウイのエステートは「フィーチャーされたプレイヤー」としての自分の役割を理解してこなかったと主張していて、さらに「フィーチャーされたパフォーマーとしてのステータス」を認めていないと説明する。PPL(Phonographic Performance Limitedの略)はイギリスの音楽ライセンシング企業で、1934年に設立されて現在に至る。フリップの投稿によると、「彼らの規則は世界を維持するのに適した神の法律ではない。彼らの規則は人の手によって作られ、平等で公平な方法で相互関係を構築し、促進させることを目的としている。しかし、自然の摂理により、どのような事柄も未来を予測できない」らしい。そして、この規則は「例外的・新手の状況も鑑みるべきだ」と提案しており、同企業は「正しいものに合致する」規則へと変更することを熟考すべきとも述べているのだ。

ボウイ・エステートの代理人はコメントを辞退した。ローリングストーン誌はPPL、イーノ、ヴィスコンティにもコメントを依頼したが、現時点で返事は届いていない。

さらに、フリップは音楽業界も非難している。「52年間の直接的かつ実践的な経験から、社会システムを操作するプレイヤーの多くは、自分の利益になるように社会システムを操作すると知っている。ビジネスでの倫理的行動を目的とし、私利私欲を業界の運営に持ち込まない少数のプレイヤーもいる。これらは何十年にも渡って作られた証拠書類が証明する主張である」と。

Translated by Miki Nakayama

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