Taku Takahashiが教える、2010年代を代表するメガ・コンテンツ『ゲーム・オブ・スローンズ』の攻略方法

『ゲーム・オブ・スローンズ』(提供:BS10スターチャンネル © 2019 Home Box Office, Inc. All rights reserved. HBOR and related channels and service marks are the property of Home Box Office, Inc.)

アメリカのケーブルTV局〈HBO〉で幾度も史上最高視聴率を叩き出し、世界中で社会現象を巻き起こした『ゲーム・オブ・スローンズ』は、MCU映画と並び、2010年代を代表するグローバルなメガ・コンテンツだ。

しかし、2011年春から8年の歳月をかけて完結したこの超大作に今から挑むのは、やや気が引けるという人もいるだろう。そこで、大の海外ドラマ通であり、『ゲーム・オブ・スローンズ』の大ファンでもある☆Taku Takahashiに、初心者にもわかりやすく「『ゲーム・オブ・スローンズ』の攻略方法」を解説してもらった。

「『ゲーム・オブ・スローンズ』が流行ってないのは北朝鮮と日本くらいだよ」

SFライターの丸屋九兵衛氏の名言だ。彼のいう通りで、この作品は全世界で大ヒットしている。アメリカだけで平均視聴率が1000万人以上。この数字の中に違法視聴は入っていない。

そして、この作品は決して大衆的ではない。どちらかというとマニアックな設定だ。日本人にゆかりのある昔の海外ドラマのような派手な表現はほとんど無い。ファンタジーSFの原作のアイデアを元に、ゆっくりとした展開。地味に見えるシーンも多い。にも関わらず多くの人を魅了し、世界的現象となった……日本以外では。最近少しずつ浸透し始めているが、僕ら『ゲーム・オブ・スローンズ』好きはマイノリティだ。日本人には簡単に受け入れてもらえない要素が含まれている。これから観る人がいるのなら慣れるための心の準備……というかちょっとした攻略方法が必要なのかもしれない。

・情景描写や設定について

簡単に『ゲーム・オブ・スローンズ』を説明する。アメリカのHBO(1998年から2004年にかけて放送され、世界的な人気を博したドラマシリーズ『セックス・アンド・ザ・シティ』でも知られるケーブルテレビ局)制作のファンタジーもの。とはいえ、物語の前半ではほとんど、ファンタジー要素は出てはこない。ドラゴンや魔法、そしてゾンビが昔は存在した。それから100年くらい経った時代の話。なので最初からそういったファンタジー的なキラキラしたものを期待しないほうがいい。

ただ逆に、権力争いや、女性蔑視や人種差別がはびこる世界でどう登場人物たちが生き抜いていくか。そういった物語が好きな人にはすごくオススメできる。物語の中で正義を貫こうとしすぎて殺されてしまう者もいれば、理想を持ちつつも現実的な行動しかせず生き延びる者もいる。「うわ、こいつムカつく!」とか「あー、わかるわー、私もこの状況だったらこういうずるいことしちゃうかも!」というシーンがつまっていて、まるで、現代のブラック企業に勤めている社畜社会をも思わせる。そういった世の中の「あるある」を中世の世界っぽい背景で描いていくのがこの作品だ。

うちの父親にこの作品を勧めたのだが、途中でリタイアしてしまった。その理由は「映像がグロくて生々しかったからだ」とのこと。確かにそこは理解できる。ドラマ制作にも参加している小説の原作者のジョージ・R・R・マーティンは、この作品を作るにあたって人間社会のグロい部分を少しでもリアルに描いてほしいと望んでいたからだ。権力争いの死刑、戦場での殺し合い、略奪、強姦。歴史上、人々が起こした醜い部分をしっかりと描写している。何も心の準備が無いと、ドン引きする人もいるかもしれない。ただ、この作品の素晴らしさはそんな醜い世の中で登場人物たちがどう立ち向かっていくか繊細に描かれている。そんな中登場人物たちの話をしたいと思う。

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