大麻ベイプの模造品台頭、違法メーカーの実態とは

野放しの違法メーカー(Images used in photo illustration by Richard Vogel/AP/Shutterstock, the New York Department of Health and the Kenosha County Sheriff’s Department)

偽造カートリッジに対する大麻企業の努力にもかかわらず、いまだ健康被害は絶えず。

模倣されることが最高の誉め言葉だとすれば、米カリフォルニアを拠点とする人気大麻ブランドKingpenは、自分たちのベイプカートリッジが市場で最も偽造されて出回っていると知って、内心喜んでいると思うかもしれない。だが原因不明の肺疾患にメーカーも消費者も警戒を強める中、Kingpenの親会社Loudpack社はことのほか気をもんでいる。「現在の状況は大変恐ろしいことだと思います」と言うのは、Loudpack社の営業部長、ダニー・コラル氏だ。「たくさんの模造品が世に出回って市場にあふれかえり、人々に健康被害をもたらしている。このせいで、製品のイメージに傷がついてしまっている」

この2カ月間というもの、電子タバコと関連があると思われる謎の疾患で数百人が入院し、死亡したケースもあるという話が後を絶たない。疾患の原因をめぐる憶測も広がる中、疾病管理予防センターはベイプ使用に対して警告を呼びかけ、連邦および州レベルでも、フレーバーつきポッド型ベイプを禁止する措置が取られている。害を及ぼす可能性のあるカートリッジから子供たちを遠ざける、というのが表向きの理由だ。電子タバコが原因とみられる健康被害は1000件以上、死亡件数は少なくとも19件。問題が起きた経緯、ここまで手が付けられなくなった理由、被害の拡大を防ぐにはどうすればいいかなど、さまざまな疑問が持ち上がっている。だが、もう何年も合法的に営業してきた大麻企業は別の深刻な疑問を抱えている。なぜ政府はこうなることを予想できなかったのだろう?

Translated by Akiko Kato

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