大麻ベイプの模造品台頭、違法メーカーの実態とは

各企業の対策

どのタイプの電子タバコがこうした疾患を引き起こしたかはいまだ不明だ。事実、現在の症例からは両者の具体的な関連性がいまだはっきりしていない。患者の中には、ニコチンベイプを使ったら症状が現れたという人もいるが、多くの患者は、THC製品を吸引した後具合が悪くなったと言っている。そのため大麻業界は、当然ながら少なからずパニックに陥っている。2012年に嗜好目的での大麻使用が州レベルで合法化されて以来、ベイプは着実な伸びを示してきた――だがこの数年、ニコチンやCBD、THCのVベイプ利用は急激に増加した。例えばカリフォルニア州では、昨年濃縮大麻の売上が従来の乾燥大麻の売上を初めて上回った。大麻市場の動向を分析するBDS Analytics社によると、合法マリファナの摂取方法の中で、電子タバコは第2位だった。今年5月の売上は、カリフォルニア州、オレゴン州、コロラド州だけで4億7300万ドル。金のなる木でありながら、いまも大衆や連邦政府からはまともに取り合ってもらえず苦労している業界としては、肺疾患の蔓延の大きな余波を受けるかもしれないのだ。

肺疾患の元凶のなかでも、主にビタミンEアセテートとプロピレングリコールといったカートリッジの増量剤が原因とみられている――この2つの物質は、加熱して吸引すると身体に害を及ぼしうる。合法大麻市場では極めて厳しい検査基準が設けられているため、メーカーの知らないところで増量剤が製品に混入することはまずない。カリフォルニア州の大手大麻検査研究機関のひとつ、Steep Hillの栽培科学部主任リディア・アバネーシ氏によると、ベイプカートリッジの検査では「カンナビノイド含有量に加え、残留溶液、残留殺虫剤、重金属、真菌毒、微生物汚染、異物」が検査対象となる。既存の検査基準の大半はカートリッジ内の増量剤を検知するのに十分なのだが、研究機関は昨今の危機的状況を受け、今後ビタミンEアセテートに特化した検査も実施することを発表した。カートリッジは最終的な製品パッケージの状態で検査されるため、メーカーが検査の後に安価な混ぜ物をカートリッジに混入する可能性はない。

Translated by Akiko Kato

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