Jingo「Fever」のキモ気持ち良いリズムの仕組みを、鳥居真道が徹底解剖

イントロのど頭はドラムとパーカッションで構成されています。鉄製のベルっぽい硬い音色の頭を抜いた3連符のパターンや、皮物打楽器の3連符の真ん中だけを演奏するパターンはアフロ的な感触があるものの、キックとスネアだけを聴けばなんてことはないシャッフルのパターンです。これを6/8拍子、いわゆるハチロクだと解釈することもできますが、ひとまずシャッフルとして話を進めます。イントロの4小節目の終わりからギターとベースが加わり、しばらくしてホーン隊がさらにそこへ加わります。ここに来て急に耳慣れたはずのシャッフルのパターンがぐにゃりと屈折したかのように感じられないでしょうか。どこがオモテでどこがウラなのかわからない。どういう周期でリズムが進行しているのかも不明。それが気持ち悪いのだけれど、同時に気持ち良くもある。脳の使われていない部分が刺激される感じがあります。

この不思議なリズムへの強い興味関心から、気合でベースラインをコピーするなどしてみたものの、依然としてその仕組みはよくわからないままでした。しばらくして、たまたまTwitterで予てから興味のあったアフリカのポリリズムについて言及されていると知り、『ポップミュージックのゆくえ 音楽の未来に蘇るもの』(高橋健太郎著)という本を読んでみました。6/8拍子と4/4拍子によるポリリズムについての説明があり、記載のリズム譜を参考に右手と左手で太ももを叩いて実践してみたところ、昔『リズムに強くなるための全ノウハウ』(市川宇一郎著)という教則本の「4分3連符のポリリズム」という項目をなんだかよくわからずに機械的に練習したことを思い出したのでした。

Rolling Stone Japan 編集部

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