Jingo「Fever」のキモ気持ち良いリズムの仕組みを、鳥居真道が徹底解剖

ここで6/8と4/4のポリリズムについて私なりに説明したいと思います(人によってはこれをポリリズムと区別してクロスリズムと呼ぶこともあるようですが、ここではポリリズムとします)。まず同じサイズのピザを2枚用意して、それぞれ12等分します。続いて、片方のピザを6人に2枚ずつ配ります。そして、もう片方のピザを4人に3枚ずつ配ります。前者が6/8のグループ、後者が4/4のグループとなります。この2つのグループが「ヨーイドン」で一人ずつ順番に配られたピザを食べ始め、同時に食べ終わるのがポリリズムといえます。ちょっとわかりにくいですか。別の方法で説明をしてみましょう。

「タタタタタタタタタタタタ」と鳴っているメトロノームの打点に合わせてAくんが「2個2個2個2個2個2個(ニコニコニコニコニコニコ)」と唱えている横で、Bさんが「3個3個3個3個(サンコサンコサンコサンコ)」と唱えつつ、それぞれが一文字目を発するタイミングで手拍子を打てばポリリズムになります。12個の点を2つずつグルーピングすれば6/8になり、3つずつグルーピングすれば4/4になるというわけです。これを簡単なドット譜と呼ばれるリズム譜に表すと以下のようになります。

6/8 |X.X.X.X.X.X.|
4/4 |X..X..X..X..|

「X」を打点、ドットを休符だと考えてみてください。このリズム譜を元に両手で太ももやテーブルを叩けば1人でポリリズムを演奏することができます。

『ポップミュージックのゆくえ』を読みつつ、戯れに両手でポリリズムを刻んでいるうちに、ふと「あれ? もしかして『Fever』もこのリズム?」と思い、音源を流しながら両手で太ももを叩いて確認したところ、ばっちりハマるので思わず膝を叩きました(ポリリズムで)。「4分3連符のポリリズム」ってこういう使われ方をするのかと腑に落ちたのでした。

Rolling Stone Japan 編集部

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