「Fever」の平歌部分のベースとオルガンのリズムはこの標準リズム型が土台になっているように感じられます。アメリカ産のファンクのように4/4という安定感のあるビート上で強拍と弱拍が入れ替わるシンコペーションを駆使して強烈なグルーヴを作っているというよりは、標準リズム型を骨子とし、各演奏者がそれに肉付けしていく要領で演奏してリズムに躍動感を生んでいるという印象を持ちました。さらに、標準リズム型の5つの打点の前半3つのパートと後半の2つのパートが漫才よろしくボケとツッコミのような応酬を続けてリズムの押し進めているようにも聴こえます。小節の前半と後半でコール・アンド・レスポンスをしているような感覚です。これはそんな気がするというレベルの話に過ぎませんが…。
構造がわからないけれど踊れてしまうという「キモ気持ち良い」とでも言うべき「Fever」リズムの仕組みについて自分なりに解釈を与えた後であっても、「Fever」は以前のようにフレッシュな響きをもったままです。仕組みがわかってしまうと魔法が解けてしまうなんてことを言われたりもしますが、「Fever」に限っては全くもってそんなことはありませんでした。「Fever」の輝き、恐るべし。
前回に続いて今回もまたプレイリストを作成しました。アフリカもののコンピからリズムが6/8の曲をまとめたものとなります。あ! ハチロクだ! と一人で盛り上がりつつ闇雲に集めたら全63曲、トータルタイムが5時間33分のプレイリストが出来上がりました。これをそのままどうぞと言ってご披露するのも気が引けるので、比較的賑やかでダンサブルなものを抜粋して90分程度にまとめてみました。わかりやすくポリリズムになっている曲もあるし、標準リズム型やその発展型が聴こえてくる曲もあります。見つけたら是非ニヤリとしてください。
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