Spotifyスタッフはどんなことを考えている? a flood of circle佐々木が対話してきた

左から、Spotifyの芦澤紀子、a flood of circle・佐々木亮介



佐々木:そこでさっきのキャンバスの話に繋がってきて、もう1回聴いてもらうための工夫をしていくことが、ミュージシャン側にも必要になっていきますね。

芦澤:そうですね。

佐々木:でも、チャートで長く残っていくっていうのは今っぽいなと思うけど、それが貧富の差になっていく可能性はあるかなと思います。完全に移行したらまた話は別なのかもしれないけど、今はいずれにせよ過渡期なのかなと。

芦澤:おっしゃる通り今は過渡期ですが、単純にストリーミングのリスナーが今の10倍になったらまた全然状況も違うわけですよね。まずは日本の中でストリーミングで音楽を聴く人を増やしていきたいと思います。

クロダ:ただ、たとえばアメリカと比べると、人口が違うので仮にクラスでひとりが聴くような音楽でも、リスナーの数は全然変わってきますよね。そして、アメリカやイギリスでチャートの1位になったアーティストは、ある程度他の国でも聴かれるようになりますが、日本では必ずしもそうではない。

芦澤:はい。

クロダ:日本でストリーミングが浸透したとして、それでアーティストは食べていけるようになると思いますか?

芦澤:それで言うとK-POPが世界のスタンダードになったように、日本のアーティストにも大いにチャンスはあると思います。BTSやBLACKPINKなどのK-POPアーティストを見ていると、韓国語のまま歌い、世界中にリスナーを広げていっています。こうした国境を超えたオーディエンスの獲得はストリーミングがあったからこそ成し遂げられたのではないかと思います。ストリーミングはプレイリストやAIによるレコメンデーションを通じ、国内だけではなく様々な国の、様々な趣味嗜好のリスナーに音楽を届けることができます。国内のみならず海外にもリスナーを広げられれば、状況はさらに変わっていくのかなと思います。

クロダ:少なからず世界に目を向ける必要がありますね。

芦澤:どのアーティストにもその必要があるとは言わないですが、世界も視野に入れたほうがより大きく道が拓けるとは思います。ストリーミングは国境やジャンルの垣根を簡単に越えさせてくれます。よく日本はガラパゴスだとか島国だとか言われますけど、ストリーミングでは逆にボーダーレス、ジャンルレスに音楽が聴かれるようになっています。

佐々木:そうですね。

芦澤:K-POPが何故あそこまでいったかと言うと、国内市場の限界を考慮し、みんな初めからグローバルスタンダードになろうと頑張ったと聞きます。日本の音楽市場においては依然CDの構成比が大きいですが、ストリーミングが普及するに従い、今世界規模での成功を意識するアーティストも増えてきいるように感じます。

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