YuNiが語るバーチャルシンガーの使命

1stワンマンライブにかける想い

―そして10月5日には、Veats Shibuyaで1stワンマンライブ『UNiON WAVE -evolve-』が開催されました。このライブはどんな気持ちで準備していったんですか?

タイトルの「evolve」は「進化する」という意味の言葉ですけど、YuNi自身がライブの面でもこれからいろいろな進化をしていくための、その最初の一歩になればいいな、と思っていました。YuNiとして活動をはじめてから、バーチャル/リアル問わずいろんな方のライブを観させてもらう機会があって、そこでライブについても、「もっとこうしたいな」って、いろいろなことを感じていたんです。それに、YuNi自身が観客として「ライブ、楽しいなぁ」と思う瞬間って、歌だけではなくいろいろな要素を通して、その人自身が楽しんでいる雰囲気が伝わってくるときだったり、ライブを観ている自分も体を動かして、一緒に盛り上がれたときだったりするので、今回は「みんなを疲れさせてやる……!」「その楽しさを、体に覚えさせてやるしかねえ!」って思っていました(笑)。ちょうど『UNiON WAVE -evolve-』の前にミオヤマザキさんのライブを3カ月連続で観たんですけど、そのとき、MCやパフォーマンスも含めて、お客さんを引き込む力に感動したんですよ。それで、今回はmio(Vo)さんがライブで言うような、『飛べー!!』という煽りも意識して加えました(笑)。

―ああ、言っていましたね! 普段よりアグレッシブにお客さんを煽る雰囲気で。

あの日は、アンコールのときだけ普段通りの雰囲気でライブをしましたけど、本編はずっとそういうことを意識していたんです。ただ、YuNiの場合、煽るにしても意識して声を出さないと、小さい子供が煽っているような雰囲気になるんですよ。孫悟飯みたいな声になってしまって……(笑)。なので、どうしたらかっこよく盛り上げられるかを考えていきました。

―歌を聴かせるだけではなく、お客さんをライブに引き込んで、一緒に盛り上がるためにはどうすればいいかを考えた、ということですね。

そうですね。演出面も含めていろいろな要素で「魅せる」ということも、これまで以上に意識したいと思っていたので、今回はダンサーさんにも参加してもらいました。これもすごく楽しかったです。最初は、自分は歌に集中してダンサーさんに踊ってもらおうと思っていたんですけど、リハーサルをする中で、「一緒に踊りたい!」という気持ちが出てきて。それで、「ここで合わせたらかっこいいかも?!」というところは、YuNiも一緒に踊ってみました。ステージを大きく使えるように、思いきり回ったり跳ねたりもしたので、今までで一番、自分に酔っている雰囲気のライブだったかもしれないです(笑)。でも、そうやって自分自身が思いきり楽しむことで、みんなも気持ちを発散しやすくなるのかな、と思うんですよ。今後は、曲によっては自分の顔が見えなくてもいいので、映像や衣装も含めて、曲の魅力を一番伝えられる演出をもっといろいろな方法で考えていきたいとも思っています。





―曲の世界観を表現するために、バーチャルな環境を生かせることはやっていこう、と。今回で言うと、「ジレンマ」で分裂した2人のYuNiさんが登場する演出も印象的でした。


「分裂した2人の自分が一緒にステージに立つ」というのは、YuNiがバーチャルな存在だからこそできることですよね。これはもともと、アルバム発売日にYouTubeで公開した「ジレンマ」の予告動画のテーマが「2人の自分」だったので、その雰囲気を生かしたいと思って出てきたアイディアでした。それぞれに黒と白の衣装を着た2人のYuNiを通してひとりの人の中の葛藤を表現して、最後に光の自分がステージに残る、というものにしました。



―この日披露したカバー曲3曲は、どんな基準で選んでいったんですか?

まずはじっくり聴いてもらう曲として、「歌ってみた」動画が好評だった「帝国少女」(R Sound Design feat. 初音ミク)を選んで、もうひとつはアップテンポの曲として、いきものがかりさんの「ブルーバード」を選びました。この曲では「タオルを回したい!」と思っていたんですけど、当日会場がかなりぎゅうぎゅうだったので、代わりにみんなでジャンプすることにしました(笑)。それから最後に、キズナアイちゃんの「Sky High」(Yunomiによるプロデュース曲)を歌わせてもらいました。これは、きっとみんな当日まで予想していなかったと思うんですけど、みんなが大好きなアイちゃんの曲なので、「きたー!!!」って盛り上がってくれて。「選んでよかったな」ってすごく思いました。「Sky High」はダンス曲なので、振りを多めにして、YuNiもできるところは積極的に踊るようにしていきました。



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