渋谷ハロウィン前夜祭、グドモ、DATS、FINLANDSが共演「JAMESON HALLOWEEN LIVE」レポ

「JAMESON HALLOWEEN LIVE」に出演したグッドモーニング・アメリカ

ハロウィンの前日、一足先に渋谷で盛り上がったハロウィンイベントがあった。グッドモーニング・アメリカ、DATS、そしてFINLANDSという、ジャンルも音楽スタイルも全く違う3組が出演するユニークなイベント『JAMESON HALLOWEEN LIVE』が10月30日、東京・渋谷WWWにて開催された。

『JAMESON HALLOWEEN LIVE』は、ハロウィン発祥の地としても知られるアイルランドで誕生したウィスキー・メーカー「ジェムソン」が、昨年に引き続き9月17日から展開していた音楽プロジェクト、『JAMESON HALLOWEEN FES』のラストを飾るスペシャル・ライブ・イベント。フェス期間中は「ロック・ミュージック」をテーマに、ドラムの高速連打を競う無料オンライン・スマホゲーム「BEAT! BEAT! BEAT!」の限定リリースや、渋谷の音楽バーを中心に25店舗でのスクラッチキャンペーンなどが実施され、その参加者にはこの日のライブチケットが抽選でプレゼントされた(一部は一般販売もされている)。翌31日の「ハロウィン本番」に向けて渋谷の街が賑わう中、会場にはたくさんの観客が集まり、ジェムソンを使ったドリンク「ジェムソン ジンジャー&ライム」や「ジェムソン ハイボール」「オン・ザ・ロック」を片手にライブを堪能していた。



まず登場したのは、2年連続出場となるFINLANDS。今年4月より塩入冬湖(Vo/Gt)とサポートメンバー3人という新体制となった彼女たちは、2015年にリリースしたアルバム『ULTRA』収録曲「ゴードン」からライブをスタート。フロントの3人は、黒いロングコートにファー・マフラーという揃いの格好で、激しく動き回りながらエッジの効いたパワフルなサウンドを繰り出していく。とりわけ印象的なのは、ハスキーだがヌケのあるハイトーン・ヴォイスの塩入だ。ジャズマスターをかき鳴らしながら、射抜くような眼差しで歌う彼女の姿にはカリスマ性すら感じさせた。ミドルテンポの切ない「UTOPIA」を歌ったあとは、昨年の『JAMESON HALLOWEEN LIVE』出演に向けて書き下ろしたという「衛星」を再び披露。軽快なシャッフルのリズムに、オーディエンスも腰を揺らしながら聞き入っていた。



「私たちFINLANDはこのイベントに、2年連続で出演させていただきました。お酒を飲みながら音楽を楽しむことの素晴らしさを、ジェムソンさんは強い信念を持って伝えながら一生懸命やって下さっていて、そういうプロジェクトに関わらせてもらえてすごく嬉しいです。皆さん、きてくださってありがとうございます」そう塩入が挨拶すると、フロアからは大きな拍手が。そして2016年のアルバム『PAPER』から。疾走感あふれる「ウィークエンド」を演奏し、この日のステージを締めくくった。

続いては、MONJOE(Vo/Key)を中心に結成された4人組ロックバンドDATSの登場。早川知輝(Ba)と大井一彌(Dr)がトライバルなポリリズムを紡ぎ出すオープニングのセッションから「Mobile」へとなだれ込むと、一気に会場はヒートアップ。精緻かつダイナミックな大井のドラミングと、5弦ベースを用いた早川のうねるようなベースラインが強靭なグルーヴを構築し、その上で吉田巧(Gt)のワウギター、MONJOEのソウルフルなヴォーカルが縦横無尽に舞い踊る。続く「Memory」では、早くもMONJOEがオーディエンスに向かってシンガロングを促す。おそらく今日、初めてDATSを観るという人も多かったはずだが、そこは「音楽とお酒」のイベント。すでに一体となったフロアのあちこちから、大きな歌声が聞こえてきた。

「みなさん、ジェムソン飲んでますか?せっかくなので乾杯しませんか?」とMONJOE。「今日は最後まで楽しんでいきましょう、乾杯!」と全員で乾杯したあと、ヘヴィなリズムの「オドラサレテル」や彼らの中でも最もポップでソリッドな新曲「Game Over」とたたみかけ、最後は壮大な「Heart」を披露しフロアを熱狂の渦に巻き込んだ。



そして、この日のトリを飾ったのはグッドモーニングアメリカ。ステージが暗転すると、たなしん(Ba/Cho)が「ジェムソン」の緑のボトルに扮して会場後方のドアから現れ、そのままフロアを練り歩いて行く。

「ウィスキーを飲みながらライブを楽しませてくれる、公式のイベントなんてなかなかないと思いませんか? 渋谷の街は今頃盛り上がっていると思いますが、こっちはもっと浮かれましょう!」と、ステージに辿り着いたたなしんが呼びかけるとフロアからは大歓声が。間髪入れずに「Tonight Tonight」のイントロが流れ出しライブがスタート。Aメロからハンドクラップが自然発生的に沸き起こるなど、すでに「仕上がった」状態だ。「アブラカタブラ」では金廣真悟(Vo/Gt)がテレキャスターをジャキジャキとかき鳴らしながら、声を振り絞るようにシャウトし、「言葉にならない」ではペギ(Dr/Ch)によるメロコア仕込みの高速ドラミングが炸裂。いつの間にかパンツ一丁になったたなしんも、うねるようなベースで応戦する。



「こうやって音楽をやっていることはすごく幸せだと思うし、それをみんなと一緒に共有できる空間を今日、ジェムソンが用意してくれたことを本当に感謝しているし、こういう機会がまた来年、再来年と続いていくと思うから、みんなも友達を誘ってまたぜひ遊びに来てくれたら嬉しいです」と金廣が挨拶し、「花」「未来へのスパイラル」を披露して本編は終了。鳴り止まぬアンコールに応え、ジェムソンの入ったカップを片手に現れた4人は「やっと飲めるよ!」と言いながら観客と乾杯。そのまま「そして今宵は語り合おう」でイベントを締めくくった。

ウィスキーで心を解放しながら音楽に浸れる『JAMESON HALLOWEEN LIVE』は、まさに至福のひと時だった。

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