THE NOVEMBERS×Dos Monos×君島大空、「激動の2019年」を菅野結以と語る

それぞれにとっての2019年

─さて、ここで皆さんに、ちょっと早いですが2019年を振り返っていただきたくて。

小林:バンドとしては、『ANGELS』という素晴らしいアルバムを作れたことは本当に良かったです。活動していく上で、様々な困難が押し寄せてきても、それを乗り越えていくためのパワーになってくれると思いますね。それと、いつもアルバムを作る時は「前作を乗り越えよう」「更新しよう」という気持ちが大きかったんですけど、どちらかというと今作からは個人的に「原点回帰」が始まったなというか。それこそ、バンドを始める以前の自分まで回帰してるくらい。いろんなしがらみがなくなっていったことで、自分の原風景みたいなものに対して素直になれている実感があります。

「なんで俺は、今までこれを我慢していたんだろう」とか、「『これをやってはいけない』と思ってしまう習慣は、いつの間に身についてしまったのだろう」とか。そいうものを、無理なく取り外していけるようになってきた気がします。ただ、それって「なんでもありだぜ」という感覚とも全然違う。「心が赴くままにやってもいいんだ」みたいな感じ。そうしたら、子供の頃の自分と繋がった感じがして、最近はすごく楽しくなってきましたね。



荘子it:俺は今年、作品を初めて世に出して。「こいつは作品を作るやつなんだ」と認知され、趣味でやってるんじゃないことがバレてしまった(笑)。来年はソロも出すつもりだし、長い「勉強」の時代は終わったなと思っています。

小林:「この才能、見つかっちゃった」感はあるよね、2人には。



君島:僕も今年初めて作品を出して、ライブをやったりラジオに呼んでもらったり、今まで体験してこなかったようなことが、生活の中で大きな部分を占めてきて。すごく激動だったんだなって思いますね。それこそ勉強していられる時間は終わったのかなって。今は、それらを徹底的に遮断しているところですね。できれば山に篭りたいくらい。

(全員笑)

君島:さっき小林さんがおっしゃっていたことに近いんですけど、「これを『いい』と感じていた自分の感情を、あの時は殺していたな」とか、「本当はこういうものが好きだったよな」「これ、やりたかったことだ」みたいな感情と、もう一度向き合いながら制作を始めているところです。



菅野:私は「一人でやれることは全て終わった」ゾーンに入ってます(笑)。それに、今はどれだけ遊びながら(仕事を)やれるか?というところに重きを置いている。野山を駆け回り、そこで転んだ血を見て、ハッとなって詩が生まれて(笑)、そこからものを作るみたいな。

─随分ワイルドですね!

菅野:今までは「これを作りたいから、そのためにこれを吸収しよう」とか、自分の興味あることに重きを置いていたんですけど、これまで全然興味がなかったものに今は飛び込みまくり、そこで見たもの、思ったこと……結果「つまんなかった!」でもいいんですけど、そういうところからモノ作りをしていますね。自分自身にとって予想外のことや、やったことのないことをいっぱいしたくて、無人島に行って日に焼けまくったり、海に潜ったりしています。そうすると、自分と全然関係ない世界だと思っていたことが実はつながっていたりして。やっぱり地球って丸いんだなって思っていますね(笑)。

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