ビリー・ジョーが語るツアーのプレッシャーを乗り切る術
アイリッシュ:ビリー・ジョー・アームストロングが観に来てるって知ってたから、あの時はいつになく集中できたの。でも観てくれたのがあのショーで良かった。ひどいやつじゃなくてね。
アームストロング:ひどいショーもあるのかい?
アイリッシュ:そんなには悪くないけど……。
アームストロング:それでいいんだよ。
アイリッシュ:私の足りない脳みそが「あのショーはクソだった」って決めつけちゃうの。
アームストロング:ライブをたくさんやってると、それが日常の一部になる。来る日も来る日も別の会場で演奏する。そういう中でひどいショーをやってしまった時は、休暇を取ったと思えばいいのさ。すごく集中できる時もあれば、やっつけっぽくなってしまうこともある。そういうもんだよ。
ー ビリー、あなたはツアーのプレッシャーを乗り切る術をどうやって身につけましたか?
アームストロング:感謝の意味を知ることで、俺は変われたと思う。俺の人生がまるで違う方向に進んでしまわなかったのは、ライブに来てくれる人々のおかげさ。でも今じゃひどいライブをやっちまっても、あんまり気にしないんだ。何もかもがうまくいくはずなんてないんだよ。ステージで声が全然出なかったり、ギターがぶっ壊れることだってある。マイク(・ダーント/Ba)のことがムカつく時もあるし、やつが俺に腹をたてることもある。トレ(・クール/Dr)からドラムスティックを投げつけられる時だってあるよ。
でもさ、それって俺がパンクに惹かれた理由のひとつでもあるんだよ。未熟でなんぼっていうかさ。華麗にゴミを出そうとするようなもんなんだから。無様でいいと思うんだよ。君はステージでオーディエンスに向かって、完璧でなくていいって感じのことを言ったけど、すごく響いたよ。
アイリッシュ:私はこう言ったの。「みんな醜いけど、それでいいの」
アームストロング:そうだっけ?
アイリッシュ:嘘。ちょっとからかっただけ。
アームストロング:「自分がイカれてると思うなら、あなたは正常」みたいなことを言ったと思うんだ。俺自身よくそんな風に思うし、多くの人がそういう結論にたどり着くと思う。「wish you were gay」は素晴らしい曲だけど、多くの人があの曲を聴いて救われるんじゃないかと思うんだ。マジでさ。
アイリッシュ:ウォールペーパーにするぐらい憧れてた人からそんな風に言われるなんて、何だか信じられない。
アームストロング:俺の写真を?
アイリッシュ:そう、携帯の待ち受け画像にしてたの。
アームストロング:ああ、そっちのウォールペーパーか。嬉しいな。