Perfumeライブレポ、ストイックさの中に見せた「愛」と「温もり」

Perfume『Reframe 2019』(Photo by 上山陽介)



「誰も想像していなかった未来を今、歩いています」

もちろん、Perfumeの高精度なダンスと中田ヤスタカによる先鋭的な音楽、そしてライゾマ&MIKIKOの舞台演出が高次元で融合した圧巻のパフォーマンスも。例えば「Fusion」では、モーションキャプチャを用いて自動コントロールされた複数のムービングトラックLEDが、曲に合わせて様々なフォーメーション作り、そこに伸びたり縮んだりする3人の影(仮装光源を用いて仮装の影を生成する「バーチャルシャドウ」)を投影して、ダンスと完全にシンクロさせていた。また「edge」では、先述の「Photogrammetry」を用いて3人の踊る姿を3Dデータ化。それをムービングトラックLEDとダイナミックVRディスプレイに投影しながら、彼女たちのダンスを「拡張」してみせた。

昨年3月に開催された『Perfume×TECHNOLOGY」presents "Reframe"』では、事前にファンから募った「大切な写真」を画像解析し、ミュージック・ビデオの一部に組み込んでいくという「ファンと3人の絆」を演出した一幕があったが、今回は会場の一角に「Pose analysis」なるブースを設置し、そこでファンを撮影。事前にキャプチャしたモーションデータに類似した画像解析データを元に、ファンが公演に「参加」できるという試みがなされていた。これもまた、「テクノロジーに人間の温もりを」というチームPerfumeのコンセプトの一環といえよう。

ステージ後半は、15台のレーザーを制御しメンバーの手の動きと完璧にシンクロさせた「無限未来」、天井から垂らした薄い布に光をあて、まるでオーロラの中にいるような神秘的な空間を作り出した「Dream Land」を披露し本編は終了。アンコールでは、先日リリースされた彼女たちにとって初のベスト・アルバム『Perfume The Best "P Cubed"』の1曲目に収録されている新曲「Challenger」を、まるで初期の頃のような元気いっぱいの振り付けで踊ってみせた。


Photo by 上山陽介

「デビューした時は、まさかこんなに長く続けられるとは思っていませんでした。自分たちも信じられなかったし、スタッフの皆さんも誰も想像していなかった未来を今、歩いています。この、信じられないような瞬間を長く続けていくにはどういうふうにしたらいいかなって考えた時、やっぱり自分たちがドキドキワクワクするような、『楽しいな!』って思えるようなこと、自分たちが一番興奮すること、そういうことをやっていくことが大事だなと思っています。どうか私たちの可能性や、私たちの夢を応援してもらえたら嬉しいです」

最後にそう挨拶したあ〜ちゃん。Perfumeの中で、最もストイックかつ実験的な要素を全開にしたステージで、自分たちの「データ」や「歴史」を再構築してみせた3人は、これからどんな未来へと進んでいくのだろうか。目下のところ、ベスト・アルバムを携えての全国ドームツアーが来年明けにあるが、今や日本のポップカルチャー、メディアアートの最先端にいる彼女たちが、東京五輪や大阪万博を控える日本から、世界に向けてどんな「景色」を発信してくれるのか。今から楽しみでならない。



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