レッド・ツェッペリン、狂気じみた10の噂を事実検証

7. ジョン・ボーナムは死亡した夜にウォッカをショットで40杯飲んだ
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噂の背景:
ボーナムが死体で発見されたのは、ウィンザー・バークシャーにあるペイジの自宅で、1980年9月25日の朝だった。この前日、彼は酒を飲んでリハーサルを行っていた。

真実:検死報告書によると、ボーナムの体内からウォッカのショット40杯に相当するアルコールが検出された。その日早くからボーナムはアルコール濃度が4倍のウォッカを飲んでおり、酔い過ぎていた彼は身体がアルコールを放出しようとしたときに目覚めなかった。

8. ザ・フーのキース・ムーンがレッド・ツェッペリンというバンド名をインスパイアした
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噂の背景:
1966年5月、ムーンとザ・フーのベーシスト、ジョン・エントウィッスルは、ペイジ、ジョン・ポール・ジョーンズ、ジェフ・ベックと一緒にインストゥルメンタルの「ベックズ・ボレロ」をレコーディングした。この曲の出来が良かったので、新しいバンドを組もうといろいろなアイデアを話し合った。真偽のほどはわからないが、ムーンが冗談で「このバンドは無視されて失敗する」(訳註:英語のイディオム「go down like a lead balloon」が使われている)と言ったらしい。ペイジはこのときのムーンの冗談を覚えていて、2年後に組んだバンドを「レッド・ツェッペリン」と命名した。

真実:発言者が違う。エントウィッスルは何年間も「大失敗(=lead balloon)」のジョークを言ったのは自分で、ムーンではないと言い続けた。しかし、世の歴史はそんな事実は無視して、ムーンにこの冗談を言わせたいらしい。

9. ジミー・ペイジは一時的にアレイスター・クロウリーが過去に住んでいた家を所有していた
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噂の背景:
クローリーは20世紀初頭に黒魔術に手を染めたイギリスの哲学者でオカルティストだ。ペイジはクローリーに心酔し、クローリー関連のメモラビリアを多数コレクションしている。

真実:実際にペイジは1971年にかつてクローリーが住んでいたスコットランドのネス湖にある家を購入し、後にこの家には幽霊がよく出るが、これはクローリーが住んでいたことと関係ないと主張した。1975年のローリングストーン誌のインタビューで、ペイジは「クローリーが引っ越す前にこの家を所有していた人が2〜3人いた。それに、この家が建つ前に、中に信者がいるままで全焼した教会がそこにあった。確かに奇妙なことがあの家では起きたが、それはクローリーとは関係のないことだったし、彼が引っ越す前から嫌な雰囲気がすでにあった。あそこで首をはねられた男がいたし、そいつの首が階段から転がり落ちる音が聞こえることもある」と語っていた。

10. 「天国への階段」を逆回転で再生すると悪魔崇拝のメッセージが聞こえる
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噂の背景:
テレビ伝道師ポール・クラウチは、1982年に彼の頭の中にあった疑惑を公表した。それはツェッペリンの名曲「天国への階段」の「bustle in your hedgerow」の部分を逆回転で再生すると、「優しい悪魔にこれを捧げる/私を悲しくさせる生き方をする人、その人の力はサタン/彼は自分の666と共にこれを捧げるだろう/彼が私たちを苦しめた小さな道具小屋があった、悲しいサタンよ」と聞こえるという主張だった。

真実:「Stairway」のパートを逆回転で再生するとクラウチの主張に似たような感じで聞こえるが、これは奇妙な偶然に過ぎない。逆回転すると悪魔崇拝の文言に聞こえるという主張に、ロバート・プラントは「そんなふうに聞くなんて一体誰が考えるんだ? そんなふうに聞く人がいると思いつくのは、よっぽど暇な人だろうな」と呆れ果てた。

Translated by Miki Nakayama

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