SWの守護神・ルーカスフィルム社長キャスリーン・ケネディが語る、最新作とこれから

ルーカスフィルム社長兼スター・ウォーズのプロデューサー、キャスリーン・ケネディDavid James..©Lucasfilm 2015


ー今作では彼と共同脚本家のクリス・テリオ氏が突破口を開いてみせましたが、どんな印象を受けましたか?

クリスはものすごく思慮深く、頭の切れる人です。J・Jの推薦だったんですが、すぐにわかりました。やはり、いつもと同じようなプロセスで延々と話し合いを重ね、山のようなアートワークを作りました。幸いなことに、J・Jは『フォースの覚醒』に関わる前から、そして製作中もスター・ウォーズにかなり精通していました――いわば、スター・ウォーズを隅から隅まで知り尽くす、といった感じです。単に映画を知っているだけじゃなく、何年もジョージと一緒に仕事したことのある人たちに話を聞いて、ジョージが作り上げた神話をきっちり理解するんです。我々も常に言っていることですが、ジョージはどのストーリーにも意味があって、伝えたいメッセージがあり、心から感動させる何かがある、ということを大事にしています。ですので、かなりの時間を割いて話し合い、満足のいくようなストーリーの骨組みを模索します。原作があるわけではない作品を扱うときには、先ほども言ったように、はっきりした視点を持ち、キャラクターやストーリーで自分らしさを出せる監督が求められます。それが物語の原動力なんです。J・Jがいい例だと思いますよ。彼は自分のエネルギーや情熱が映画製作と結びつかないと、何もできないタイプです。一緒にいると面白いですよ。こちらが話を切り出そうとすると、あの調子で熱っぽく、エネルギッシュに返してくる。本当に面白い人です。おかげでいつも助かっています。本当によく笑わせてもらいましたね。

ーエピソード9のストーリーに関して、「これだ」と感じるまではどんな感じでしたか?

そうですね、「これだ」という瞬間に行きつくことはないと思いますよ。絶えず進化していますから。つまり、我々は今この瞬間も、細かいところを修正しているんです。このシリーズの製作では、ストーリーテリングの旅に終わりはありません。ですが、これまでの8作品の内容は把握しています。あの回はどんな内容だったか、というのはわかっているわけです。ですから、今作ではこれまでの流れを全て盛り込んで、そのうえで納得のいく結末を模索してきました。最終的に上手くいったと思いますよ。その地点に到達したかどうかは、直感に頼るしかありません。フィードバックが欲しい時には、私が家族や友人と呼ぶ仲間たちに集まってもらって、実際に見てもらって、ちゃんとつじつまが合っているか、狙い通りの内容になっているかを確認します。今はちょうどその段階です。

ーライアン・ジョンソン監督は『エピソード8/最後のジェダイ』でかなり大胆な決断をしました。三部作の2作目として序破急の「破」にあたることを考えれば、ファンに挑戦状をたたきつけて、期待を裏切るように仕向けたのはある程度意図的だったのでしょうか?

まったくその通りです。我々はつねに、スター・ウォーズの方向性や時代性について話し合っています。明らかに、同じような映画をただ繰り返すことはしたくありません。あなたのおっしゃる通りです。つまり、私もライアンの仕事ぶりに大満足です。本当に素晴らしい映画でした。彼は過去に例を見ない映画製作者だと思います。思い切った決断をしてくれて、本当にうれしかった。結構みなさん忘れがちなんですよ。とくに三部作を作るときは、1作目でまず状況を紹介して、2作目でドラマが起きて、3作目で完結します。ですからあの2作目も同じです。『帝国の逆襲』が三部作の中でもっともダークで劇的だったようにね。『インディ・ジョーンズ』もそうですよ! 『レイダース/失われたアーク』の次の『魔宮の伝説』はダークだったので、かなり賛否両論を巻き起こしました。物語の展開に関して皆さん驚いたようですけど、でも正直なところ、それが狙いなんです!

これほど熱心なファンの方々が、こんなに関心を寄せてくださるなんて嬉しいですね。我々がファンを無視している、と感じることもあるでしょうが、でもちゃんと耳を傾けているんですよ。私自身、世間がここまで関心を寄せてくれるなんてすごいなと思いました。私をはじめ全員が、いかに関心が高いかを実感させられました。我々は全員これを肝に銘じなくてはいけません。(我々と同じように)、ファンの人々もこの物語の守り神だということ、ある種のパートナーだと考えています。

今作の後にどんな映画が出てくるにせよ、仮にスカイウォーカーの物語とまったく関係がないものだとしたら、それは間違いなくシリーズ史上最大のチャレンジですね。今のところ、どの作品も第1作と何らかの形でつながっていますから。その点はどうお考えですか?
それこそチャレンジですね。まさに今、我々もその真っ最中なので、この先どうなるかについては私にもさっぱり検討すらつきません。あなたのおっしゃる通りですよ。今後の作品がどんなものになるのか、どうやって新しい方向に向かわせるのか。その点についてはもっと時間をかけて、もっと話し合いを重ねて、慎重に検討してきたいところです。そのうえで最終的な決断を出したいですね。

Translated by Akiko Kato

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