TENDRE、iri、VIDEOTAPEMUSICらが出演「Scramble Fes 2019」レポート

TENDRE(Courtesy of Scramble Fes)

音楽はもちろん、ファッションやアート、舞台など刺激的な作品が次々と誕生するカルチャーの「るつぼ」である渋谷から、音楽を通じて日本のエンターテイメントを盛り上げることを目的にスタートした「Scramble Fes」。今年で5周年を迎える本フェスが11月2日、東京・TSUTAYA O-EASTにて開催された。

トップバッターは、数日後に待望の1stアルバム『SPOTLIGHT』のリリースを控えていたシンガー・ソングライター、eill。ギター、キーボード、ドラムというシンプルな編成を引き連れ、サブステージに登場した彼女は、歯切れの良いギター・カッティングに導かれ、ハスキーなハイトーン・ヴォイスで「special girl」をソウルフルに歌い上げる。続く「MAKUAKE」は、ワウギターと流麗なストリングスが絡み合うファンキーなナンバー。満面の笑みを浮かべながら楽しそうに歌う彼女に、初見のオーディエンスたちも自然と体が動き出す。特に、20代前半の女性ファンが最前列で踊っていたのが印象的だった。スリリングなダンス・チューン「ONE」では、サビの“We Are No.1”を全員で歌い、早くもフロアを一体感に包んでいく。さらに『テラスハウス』に使用され話題となった、ジャクソン5ばりのご機嫌なソウル・ミュージック「20」、“UH MAMAMAMA Future Wave”という中毒的なフレーズが魅力の「Future Wave」と畳み掛け、最後はニューアルバムから表題曲「SPOTLIGHT」を披露し会場を魅了した。


eill(Courtesy of Scramble Fes)

続いては、メイン・ステージにてVIDEOTAPEMUSIC。地方都市のリサイクルショップなどで収集したVHS、実家に埋もれていたホームビデオなど、古今東西の様々な映像をサンプリングし、音楽と同時に再生するユニークな作品で話題を集めるVIDEOの一人ユニットである。ギターに潮田雄一、キーボードにDorianというお馴染みのサポート・メンバーに加え、この日が初参加というパーカッションのシマダボーイを時おり交えた編成で、まずは2017年のアルバム『ON THE AIR』からトロピカルでモンドな「Sultry Night Show」を披露。深いエコーのかかったピアニカのサウンドが、徐々に時間の感覚を奪っていく。「昼からありがとうございます。テキトーに楽しんでください」という、VIDEOのユルいMCで今がまだ昼間であることを思い出した。ボトルネックを駆使したギターと、ピアニカの掛け合いが心地よい「Speak Low」、昭和歌謡的な哀愁が漂うエキゾティックな「南国電影」、マンボのリズムに乗って、テケテケのサーフ・ギターソロが炸裂する「Kung-Fu Mambo」等々、様々な国の音楽が混じり合った不思議な楽曲と膨大な映像のサンプリングを浴びているうちに、再び「ここはどこ? 私は誰?」状態に。とてつもなくサイケデリックなひとときだった。


VIDEOTAPEMUSIC(Courtesy of Scramble Fes)

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