メガデスのデイヴ・ムステイン独占告白、がん公表後の沈黙を破る

デイヴ・ムステインががん告知とメガデスの未来への大きな期待を語る。(Joseph Branston/Total Guitar Magazine/Future/Getty Images)

「俺は絶対に妥協しないが、完全な成功、この場合は勝利なら良しとする」と、ムステインはがん告知とこの冬の復帰について語った。

月曜日の午後遅く、デイヴ・ムステインはテネシーにある自宅で寛いでいる。近所の牛たちはモーモーと大声でおしゃべり中だ。ローリングストーン誌からの電話を受けたムステインは「今は自分の人生に取り組んでいるだけさ」と語った。

5月、メガデスのフロントマンはがんの告知を受け、しばしの間、表舞台から去ることになった。これを受けて、メガデスは自身のフェスティバル、メガクルーズも含む2019年のツアー予定をすべてキャンセルした。その後、いつもなら積極的に発言するムステインはずっと沈黙を保った。告知時点で、がんと診断した医師たちは生存率90%とムステインに伝えたと言う。

9月に入ってムステインは声明を出した。その中で彼は、治療の最終ラウンドがもうすぐ終わるが、主治医たちは見通しが明るいと言っていると述べた。ムステインが言うところの「最悪の治療経験」という段階を終えた今、彼はファイヴ・フィンガー・デス・パンチと一緒に回るこの冬のヨーロッパ・ツアーでメガデスに復帰することになっており、これまでの経緯を本誌に語ってくれた。

「治療の大部分を終えた今、俺は本当に強くなったと感じている。放射線治療の後、検査結果がとても良いと担当医が教えてくれた。『本来ならステージ3の状態なのに現状はステージ1と変わりない』ってね。その後、がん専門医も同じことを言ったよ。『あなたはとても強いようだ』と。だから、そのまま治療を続けたんだ」と、ムステインが言う。

がん告知後、気分の優れない日が2日だけあったらしい。まだ医師から寛解期とは告げられていないが、最近やるべき治療をすべて終えて、すでにリハビリを始めている。ムステインが治療に専念することになり、メガデスは新作制作を延期した(現在ツアーに先駆けて新曲を数曲リリースする予定でいる)。しかし、現在のムステインが最も楽しみにしているのがツアーへの復帰だ。冬のツアーを目前にして、彼は「ものすごく興奮している。ギターで火を吹くのが待ち遠しい」と語る。

そんなムステインを見てファンは驚きすらしないだろう。「ピース・セルズ」、「ヴィクトリー」、「ホーリー・ウォーズ…ザ・パニッシュメント・デュー」などの楽曲で、獰猛さすら感じる不屈の精神を高らかに宣言した男なのだから。「コイツには絶対負けないと確信していた。コイツが脅しても絶対に負けないぞ、とね」と、心配など微塵もない声で彼は語る。





Translated by Miki Nakayama

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