メガデスのデイヴ・ムステイン独占告白、がん公表後の沈黙を破る

ムステインがマーシャルアーツで学んだこととは?

―この時期を克服するのに役立ったツアーからの教訓やマーシャルアーツで学んだことは何ですか?

俺は昔から身体を動かすのが好きで、マーシャルアーツに興味があった。鍵は、病気になったら良くならないこと。つまり病気にならないことが一番なわけさ。東洋の瞑想、治療やトリートメント、哲学の基本は、病になるのを防ぐ未病なんだ。一方、西洋のアプローチは病気になってから対処するというものだ。だから、がんの告知をしたとき、医者はビビって、最悪の可能性を俺に言った。「食事ができなくなれば栄養チューブを使うしかない、これができなくなれば、君の頭を切り落とさないといけない、あーだこーだ」ってね。俺は、ああ、わかったよ、やるよ、やるから、って。

医者たちは「体重を維持しないとダメだ」と言った。確か、めちゃくちゃ病んでいたのが2日半くらいあったと思う。その後で体重を計ってみた。普段は84〜86キロなんだけど、そのときの俺は77キロだった。それを見た医者たちはビビって「何があったんだ? 体調が悪いのか?」って。だから「ああ、ちょっと病んでいたよ」と答えたよ。自宅に戻って「大丈夫だ、もう回復した」と思って、普段通りの生活に戻った。その後でまた病院に行ったら、体重が84キロに戻っていた。医者は「どうやってそんなに体重を増やしたんだ?」って聞くから、「食っただけ」って答えた。

俺は落ち込む気が全くなかった。絶対したくなかったのが、病院で小娘みたいにメソメソすること。これまで経験したさまざまな困難が何にでも対峙できる強さを与えてくれたし、これだって例外じゃないのさ。

―がんの原因はわかったのですか?

実際の原因はわからないと医者が言っていた。ただ、がんの種類はわかっている。舌根に扁平上皮がんができたんだ。これは口の中にできる腫瘍で、口の片側からリンパ節2ヵ所まで広がっていたから、かなり危険な状態だった。

この告知を受けたときに、この病気になった子どもたちのことを思い出したよ。サンディエゴにいたとき、地元の海軍と小児病院に行ったんだ。サンディエゴではチャリティに真剣に取り組んでいたからね。これは冗談でもなんでもなくて、この病気に罹患している病人を見ると本当に怖くなるぜ。

Translated by Miki Nakayama

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