寺岡呼人とトータス松本が「妄想」「ブルース」を肴にカーリングシトーンズを語る

プロデューサー、寺岡シトーンの凄いところ

―と、プロデューサーにお褒め頂いてますが、トータスさんが今回のレコーディングで感じた寺岡さんのすごいところってどんなところですか?

トータス:アルバムの最後に入っている「涙はふかない」の詞は2人の共作なんやけど、説明があるんよ、最初に。こういうことがあってこういう曲をもし作って聴く人がいた時に、すっごい泣けると思うんやけど、一緒に作ろう!とか。

寺岡:アハハハ。

トータス:そういう具体的なイメージをめっちゃ持ってんの、いつも。



―それは、トータスさんやウルフルズでやってきた制作の方法ではないと?

トータス:そうやね。僕らの場合はそこまでイメージしていない場合が多いね。やっぱりよひーはプロデューサー脳というか。こういう人らに聴かせたいイメージがあるっていう風に投げてくることが多いね。「涙はふかない」の歌詞にあるように、悔し涙も嬉し涙も同じ目から流れるし、そういういろんな思いをそれぞれが持って生きてる、何かそういうことを歌って人を元気づけられたらって。飲みながらやけど、めちゃ語るんよ。

―寺岡さんはそういう制作のスタイルなんですか?

寺岡:僕のやり方ってマーケティングじゃなくて、妄想? どっちかと言うと(笑)。今の時代はこうだからっていうマーケティングよりは、きっと僕ら世代のファンの人達は今ちょうどこれぐらいで、頑張ってんじゃないかな? だから、俺達がこういう感じで歌ったら、きっと何か元気もらうんじゃないのかなあみたいな妄想に付き合ってもらってる(笑)

トータス:でもね、その妄想を聞かされて、なるほどなあっていつも思うよ。他にも聞かされた妄想はあるんやけど、そのアイデアを言って、誰かにパクられたら嫌やから言わへんけど。でも、何個かあるんよ、その妄想のストックが。

―それはメロディやタイトルのアイデアではなく具体的なシチュエーションがあるってことなんですか?

トータス:それ! シチュエーション!

寺岡:映画監督って数年に一本しか作らないでしょ? 知り合いにも映画監督がいるんだけどアイデアの宝庫なんですよ。黒澤だってやりたいこと常に20ぐらいあるけど、結局実現するのが5年に1回とか3年に1回みたいな感じなわけで。でも、音楽はまだ実現しやすい。でも、そういう意味では、ちょっと監督とかプロデューサーに近いのかもしれないですね。作品のイメージの妄想ストックがすぐ出てきちゃうんです。

トータス:手塚治虫だって晩年のインタビューの映像残ってるけど、「アイデアはバーゲンセールするぐらいあるんですよ。ただね画が描けない、僕はもう描けない」って言うてるもんね。そういうアイデアをよひーはガンガン投げてくる。僕だったら何とかしてくれるって思ってるのかもしれないけど(笑)。

寺岡:そう! そういうことなの!

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