KISSのジーン・シモンズに日本で直撃 「最後の来日公演」は本当にラストなのか?

―ファンはKISSを常に、いちばんホットでいちばんビッグなライヴをやるバンド、と認識してきたはずですが、今回のツアーではこれまでにも増してビッグなショウを展開していますよね? 日本にもステージ・セットなどはすべて持ち込んでいるんですか?

ジーン:可能な限りのものを最大限に持ち込んでいる。屋内会場でやれる範囲内でね。野外でやる時はさらに規模が大きくなる。たとえばウッドストックのような広大な場所、周囲に建造物のない場所でプレイする時には。日本ではそうした場所に比べれば小さな会場でプレイすることになるわけだが、それでも我々のショウに欠かせない要素すべてを期待してくれていて結構だ。火を使うための装置は当然、常にあるしね。初めて日本に来た時、確か武道館で4日間ほどプレイしたはずだ。もちろん70年代の話だ。1870年代ではないよ(笑)。当時、キミたちは自分の座席から立つことすら許されていなかった。演奏中に叫ぶことすらもね。警官(実際には警備員)に厳しく見張られていて、曲が終わるとようやく座ったまま拍手をする、というようなありさまだった。

―ええ。1977年当時、高校生だった僕もそんなオーディエンスのなかにいました。

ジーン:とてもストレンジな光景だった。警官たちは、その光景がネガティヴではなくあくまでポジティヴなものなのだということを、理解できていなかったように思う。ファンが興奮することが暴動発生に直結すると捉えていたんだろうな。KISSのショウで喧嘩が起きているのを、私は見たことがない。一度たりともね。ラップのコンサートなどにありがちなそうした光景とは無縁だし、ヴァイオレンスなどKISSの公演会場には皆無だ。

―その場にいる誰もがクレイジーになる。ただし、平和的に。

ジーン:そう、ハッピーな形でクレイジーになるというわけだ。まず我々は馬鹿でかい音でプレイするから、ライヴを楽しんでいるキミの背後からアホな酔っ払いが何かくだらないことを言ってきても、聞こえやしない(笑)。しかもステージ上では常にエキサイティングなことが繰り広げられている。だから余計なものは目に入らない。喧嘩が起こらない理由がそこにある(笑)。


Photo by Jay Gilbert

―確かに。今回はKISSにとって通算12回目のジャパン・ツアーということになります。これまで日本で過ごしてきたなかでの最高の思い出というと?

ジーン:ゴジラに会えたこと(笑)。

―本当は、日本の女性たちと出会えたことなんじゃないですか?

ジーン:もちろん、それはそれだ(笑)。驚くべきは、出会ってきた日本の人たちは誰もが礼儀正しくて人当たりがいいということ。とはいえ部屋が暗くなると、女性たちは違った側面を見せてくれる。これはとても重要なことだ(笑)。

―あなたはそうした女性たちと出会うために、「アナタはウツクシイ」といった日本語をマスターしたわけですよね?

ジーン:それもまた、とても重要なことだ(笑)。美しいと伝えなければその女性は「バスルームはどこかしら?」と言いはしないだろう。私は、たいがいの言語で同じことを言えるよ(笑)。

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