BLACKPINK、初の東京ドーム公演で見せた圧巻のスペクタクル

12月4日に開催された『BLACKPINK 2019-2020 WORLD TOUR IN YOUR AREA』東京ドーム公演の模様(Courtesy of UNIVERSAL MUSIC)

韓国のガールズグループとして史上初めてコーチェラ・フェスティバルに出演し、Instagramではもっともフォロワーが多いグループとして首位に躍り出るなど、2019年はワールドワイドな飛躍を遂げたBLACKPINKが、世界4大陸におよぶツアー『BLACKPINK 2019-2020 WORLD TOUR IN YOUR AREA』の日本公演(東京、大阪、福岡の全4公演)を開催。12月4日に行われた初日・東京ドームの模様をレポートする。

忘れもしない正月の1月2日。鎌倉・鶴岡八幡宮で初詣の行列に並んでいたときに、「BLACKPINK、コーチェラ・フェスティバルに出演!」のニュースが目に飛び込んできたその瞬間から、筆者の2019年は彼女たちに狂わせられたといっても過言ではない(Spotifyの年間まとめでも再生時間ぶっちぎり1位でした)。歴史的な一夜となったコーチェラでの模様は当時のルポを読んでいただくとして、今年のBLACKPINKは「SUMMER SONIC」「WIRED MUSIC FESTIVAL’19」といった大型フェスに登場したり、『ミュージックステーション』初出演でTwitterのトレンドを賑わしたりと、日本国内においても「初物づくし」でBLINK(ファンの愛称)を魅了し続けてきた。しかし、彼女たちの真骨頂はやはりワンマンライブにこそある。



12月4日は昨年のクリスマスイブに開催された京セラドーム大阪公演以来となるワンマンライブ、かつBLACKPINKにとって初めての東京ドーム公演とあってチケットは見事ソールドアウト。のべ55,000人の観客が詰め掛けた。開演時刻を回り暗転すると、ステージに張り巡らされた可動式の巨大スクリーンが、ルービックキューブのようにJISOO、LISA、ROSÉ、JENNIEと4人のメンバーの名前や写真を刻んでいくのだが、もうこのオープニングだけでドーム内は絶叫に次ぐ絶叫。基本的にはスクリーンの背後に隠れてはいたがThe Band Sixの面々の姿もあり、夏フェスでも披露されてきた屈強なバンドセットと共に、もはやお馴染みのスターティング・ナンバー「DDU-DU DDU-DU」が猛獣のように激しいグルーヴを放出する。二丁拳銃を撃ちまくるキリングパートの直後に押し寄せる「ズウウウン」という重低音なんて、ドゥームメタルのライブかよ! と突っ込みたくなるほど。そして、アウトロと共に容赦なく燃え上がる火柱と花火の特効。のっけからフルスロットルだ。



アラビアン風なメロディとシンクロ率の高いダンス、さらにJENNIEの切れ味鋭いラップが特徴の2曲目「FOREVER YOUNG」を歌い終えると、「TOKYO、WHAT’s UP!?『BLACKPINK WORLD TOUR IN YOUR AREA』へようこそ! 今日は最後まで盛り上がりましょう!(LISA)」「とっても会いたかったです!BLINKも私たちに会いたかったですか〜?(JISOO)」「お元気でしたか?今日は最後まで楽しんでください!(ROSÉ)」「久しぶりの公演でみなさんに会えましたが、最後まで楽しく遊びましょう!(JENNIE)」とキュートに挨拶。スツールに腰掛けしっとりと歌われた「STAY」は日本のBLINKの間で特に人気の高い1曲だが、5万人規模のコーラスの大合唱には目を見張るものがあるし、「WHISTLE」でレーザービームが場内を染め上げる中での妖艶なダンスも素晴らしい。



筆者はファンクラブの一次先行でチケットを購入していたのだけど、なんとアリーナ前方ブロックという神席。火柱の熱気と火薬の香りをダイレクトに感じ、メンバーが花道に向かえば「ほとんどアーティスト目線」で360°ビューの絶景と共に、BLACKPINKと8名のダンサー陣のパフォーマンスを至近距離(しかも後方から)で目撃できたわけだが、あのアスリート顔負けなフィジカルの強さには改めて敬服せざるを得ない。幕間では「家族」と称するBLINKへの愛や感謝を述べるビデオ・メッセージが流され、ワンマン最大の見せ場とも言うべきソロ・コーナーへ。意外なカバー曲も飛び出し、シンガーとして、あるいはダンサーとして成長したBLACKPINKの四人四様の個性と魅力が大爆発だ。ソロの直後には日本初披露となったThe Band Sixによる超絶技巧ジャム・セッション(現在のバンマスであるオマール・ドミニクは、ハーヴィー・メイソンのバックも務めるゴリッゴリのジャズ畑出身)も堪能できるので、昨年の日本公演に足を運んだファンにとっても新たな驚きがあるに違いない。


Rolling Stone Japan 編集部

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