Yogee New WavesとSuchmosが新木場で作り上げた夢のような一夜

「Suchmos最高でしたね。まさに"Hit Me, Thunder"って感じ」と角舘。「中国ツアーから帰ってきて、Suchmosの連中といつも通り喫煙所でタバコを吸ったり、くだらない話を一緒にしたりして。幼なじみってこういう感じなんだろうな」と感慨深げに話す。そしてかつて、自分たちが「シティポップ」というジャンルにカテゴライズされていた時のことを振り返り、「Suchmosはシティポップじゃなくて“神奈川のおしゃれラスタ”ですよ。シティポップは俺ら。これマジっす」と話して大きな笑いを取っていた。「シティポップというのは、ある意味では都会に対するニヒリズムというか。都会に住んでいるからこそ知っている、都会の『美しくない』ところをFuck You! と思いながら歌にしているのがシティポップなんっすよ」と、彼なりのシティポップの定義を投げかける角舘。「都会って本当、苦しくないですか? 電車とかいつインフルエンザが移るか分かんねえなと思うし。でも、音楽をやっている時だけは、そんな都会の窮屈さを逃れられると気づいたんですよね。それを聴いたみんなが少しでも、都会での“抜け出しテクニック”を身につけて、『今日の山手線はつまらなくなかった』と思えたらすげえ最高だなと思って音楽やってます」と、自らの矜持を熱く語った。


Photo by Naruki Yamaguchi

そしてバンドは、新作『to the moon』からモータウン調のリズムが心を躍らせる「あしたてんきになれ」、疾走感あふれる「Bluemin’ Days」と立て続けに演奏。途中、<花束をあげよう、Suchmosに>と歌詞を変えてオーディエンスを沸かせ、ビル・ウィザースの「Lovely Day」を彷彿とさせる「Ride on Wave」で本編を終了。鳴り止まぬ拍手の中、ミドルバラードの「Like Sixteen Candles」、トライバルなリズムとキラキラしたギターがキュアーを思わせる「Good Bye」をアンコールに演奏し、この日のイベントに幕を閉じた。

今や日本のインディー・ロックシーンを牽引する存在となった2組、Yogee New WavesとSuchmosの共演というゴージャスな企画が実現した、両者のファンにとっても夢のような一夜だった。


Photo by Naruki Yamaguchi



<公演情報>

〈Dreamin’ Night vol.2〉

2019年12月4日(水)
出演:Yogee New Waves、Suchmos

Rolling Stone Japan 編集部

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