故エプスタイン被告の性的虐待、20人以上の被害者が遺産からの損害賠償求める

故ジェフリー・エプスタイン被告(Photo by New York State Division of Criminal Justice/HANDOUT/EPA-EFE/Shutterstock)

先日他界した投資家ジェフリー・エプスタイン被告が、新たに9人の女性から性的虐待で訴えられたと12月3日にロイター通信が報じた。故人の遺産管理団体に対する訴状によると、被害は1985年にまで遡り、被害者には当時まだ13歳だった少女も含まれていたという。

訴状で女性たちの身元は明かされていないが、訴えによれば被害は20年以上にも渡っていた模様。9人のうち6人がレイプされたと主張し、1人は1985年から性的暴行や虐待を受けたという。別の女性は、まだ14歳だった1990年頃から虐待を受けたと述べ、さらに2003年頃に被害を受けた別の女性は、当時まだ13歳だったという。

「この女性たちは、エプスタイン被告から受けた仕打ちのために一生心に残る傷を抱えています。そして今、正義を果たすチャンスを手にしました」と、原告9人の弁護人ジョーダン・マーソン氏がニューヨーク・ポスト紙に声明を発表した。「エプスタイン被告の遺産管財人はこの機会に被害者への配慮を示し、被告の遺産を全額差し出して、女性たちが負わされた傷に正当かつ十分な補償を行うべきでしょう」

エプスタイン被告の遺産管理団体の弁護人と接触を試みたが、連絡は取れなかった。ロイター通信によれば、エプスタイン被告の遺産管財人ダレン・インダイク氏とリチャード・カーン氏は11月14日、アメリカ領ヴァージン諸島の判事に、エプスタイン被告の被害者を対象とした自発的賠償基金の設立を申請したという。

ロイター通信によると、新たな訴訟の原告9人を含め現時点で20人以上の女性が、5億7700万ドルのエプスタイン被告の遺産から正当な損害賠償の支払いを求めている。

エプスタイン被告は8月10日マンハッタンの監房で死んでいるのが発見され、警察は自殺と断定した。彼の死から2週間後に行われた聴聞会では被告に対する性的人身売買および売春共謀罪の刑事起訴が取り下げられた。また、数十人の被害者らが被告から受けたとされる虐待を告白し、ようやく実現した法廷での対決も彼の死によって奪われてしまったと、怒りを露わにした。エプスタイン被告は無罪を主張していた。

Translated by Akiko Kato

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