LOW IQ 01、ソロ20周年記念を迎えた男の「愛され舞台」

4番手はMONOEYES。スターウォーズのテーマをSEに、細美武士が酒のボトルを片手に入場。「死ぬ気でやりたいだけなんですよ、なので付き合ってもらっていいですか」との一言から「When I Was A King」へ。その爆発力は圧巻だった。ギターの戸高は、ダイブで流れてくるファンに、戯れるようにタッチしにいく姿が印象的だったし、スコットマーフィはベースを客席に伸ばしてファンに触れさせるなど楽しむ姿勢も忘れない。「Two Little Fishes」では、ハットを被りステッキを持ちLOW IQ 01風(細美にはマイケル・ジャクソンみたいと揶揄される)の格好をしたTOSHI-LOWも現れ一緒に歌唱するシーンも。「俺が先輩だと認める人は2つの条件の1つを満たした人だけなんだよ。飯を奢ってくれた人か、人生で大切なことを教えてくれた人。01さんは人生で大切なこと教えてくれた人なんだよ」。MCで細美はそう語り、01との絆を感じさせた。ラストの「Borders & Walls」では、細美がTシャツを脱ぎ捨て、同曲を作詞作曲したスコット・マーフィがステージ中央に立ち、圧巻の勢いでライブを駆け抜けた。ギターを置き観客に向けてガッツポーズを見せる姿は、細美のライブの満足感と当日のイベントを楽しんでいるようであった。



そして、トリを飾るのはLOW IQ 01 & MASTER LOW。黒ハットに赤チェックのシャツ、ステッキを持った01が登場。1曲目は「YOUR COLOR」。当日LOW IQ 01が演奏した曲の中でも特に落ち着いた楽曲からの始まりに少々驚いたが、穏やかでハッピーな曲調からは20周年のお祝いの雰囲気が滲み出る素敵な立ち上がりとなった。「Hangover Weekend」で一気にエンジンをかけ、ステージを楽しそうに駆け回る。「WAY IT IS」ではサビのキャッチーさに相まって、会場からシンガロングが起こり、4曲目「Chances」へと続けて踊り続ける。

「今日本当に最高の仲間が集まってくれてると思うのよ。世代とか関係ねえし。ここまで来れたのは皆のおかげだと思います。あとはサイコーの仲間がいっぱいいてくれたこと。この20年、その前にSUPER STUPIDって仲間がいてくれたってこと。この歳になってさ、音楽に生きると思わなかったからさ、どうもありがとう。最後まで楽しんでって」

そうLOW IQ 01が語ると「Delusions of Grandeur」の勢いのあるドラムのイントロが流れ、「踊れ踊れ!」と煽りながら会場のギアをもう一段階上げていく。同曲ではLOW IQ 01のサイコーの仲間であるTOSHI-LOWと細美がステージに現れて、客席にダイブする場面も見られ、大盛り上がりとなった。



「皆やることはめちゃくちゃだけどガチガチになりすぎない。これくらいがちょうどいい」。これはLOW IQ 01がMCで語った言葉だが、この器の大きさこそ、20年間仲間に好かれ続けてきた彼の真髄ではないだろうか。仲間を大事にしていて人に好かれる彼の魅力が、言葉の端々から感じられる。ステージ上のLOW IQ 01はロックバンドマンであり、エンターテイナーでもある。軽やかなステップと巧みなトーク、カッコ良さと愛くるしさが混ざった不思議な魅力を20年間、いや、それよりも前からずっと持っていたのかもしれない。「So EASY」では、客が笑顔で肩を組んで円になるサークルモッシュも起こり、観客の楽しそうな笑顔が見られる雰囲気になった。

Rolling Stone Japan 編集部

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