レッチリのジョシュ、最後のライブ映像が到着「夢みたいだった」

11月2日米カリフォルニア州ロサンゼルスでのチャリティ・イベントが最後の演奏となったジョシュ・クリングホッファー

わずか6週間前に米カリフォルニア州ロサンゼルスで行われたチャリティ・イベントがレッド・ホット・チリ・ペッパーズとジョシュ・クリングホッファーの最後のライブとなった。

米現地時間12月15日、何の前触れもなくレッド・ホット・チリ・ペッパーズが長年バンドのギタリストを務めたジョシュ・クリングホッファーの脱退と、2009年にバンドを再脱退したジョン・フルシアンテの3度目の加入をInstagramで発表したのは、ファンにとって青天の霹靂だった。レッチリはInstagramに「ジョシュと過ごした時間と彼が俺たちと分かち合ってくれた数えきれないほどの才能に心から感謝している」と投稿した。

ジョシュ・クリングホッファーは、11月2日に米カリフォルニア州ロサンゼルスのSilverlake Conservatoryが主催するチャリティ・イベントでその才能をバンドと分かち合ったばかりだ。その時点では、バンドが2016年リリースのLP盤『The Getaway』のツアーに出ておよそ3年が経っており、ここまで衝撃的な変化が起こる予兆などまったくなかった。今回紹介するのは、チャリティ・イベントに参加したファンによるイベントのフル動画だ(スマホを横にして撮ってくれたらもっとよかったのだが)。動画の終盤では、スペシャルゲストとして登場したパール・ジャムのフロントマン、エディ・ヴェダーとレッチリが「見張塔からずっと」をパワフルに演奏している。

クリングホッファーは2007年にレッチリに加入し、2年にわたってセカンドギタリスト兼キーボーディストとしてジョン・フルシアンテとともにプレイした。クリングホッファーとフルシアンテはその5年前から共同で音楽制作に取り組んでおり、2004年から2009年にかけては人知れずいくつかの楽曲のレコーディングを行った。2009年にフルシアンテがレッチリを脱退すると、クリングホッファーはメインギタリストに昇格した。

フルシアンテ脱退の直前、レッチリのメンバーはフルシアンテ不在でバンドを続けるのは不可能だと強い不安を抱えていた。「怖かったんだ」とベーシストのフリーは当時ローリングストーン誌に語った。「フルシアンテ以外の誰かとプレイするなんて考えられなかった。それは、家族の一員を失うようなものだ」

だが、まもなくしてメンバーはクリングホッファーのすばらしい貢献に感謝することになる。「ジョシュ(・クリングホッファー)はジョン(・フルシアンテ)のようなギターの名手というわけじゃないけど、ドラムとピアノもこなすマルチプレイヤーだ。ジョシュほどの逸材は世界のどこを探してもいない。それに、ジョシュはすでにレッチリでプレイしていた」とフリーは言った。

当然ながら、メインギタリストへの昇格にクリングホッファーは胸を躍らせた。「信頼し、愛せる友人たちを持つことは僕の生涯の夢だった」とクリングホッファーは語った。「何年も見てきたけど、フリーとジョンの関係は特別だった。そのフリーとチャド(・スミス)とアンソニー(・キーディス)が心を開いて別の誰かを仲間に入れるなんて、夢みたいだった」

レッチリはクリングホッファーと2枚のスタジオアルバム(2011年の『I’m With You』と2016年の『The Getaway』を制作したが、マス・オーディエンスの心をとらえるシングルを生み出すことはできなかった(それに対し、フルシアンテが復帰した1999年から2007年にかけてバンドは正真正銘のヒットと呼ぶにふさわしい楽曲を8つほど生んだ)。それでも、クリングホッファーをメンバーに迎え入れたレッチリは、ライブバンドとして絶大な人気を保ち続けた。1年の大半をフェスやスペシャルイベントへの参加に費やし、2020年も海外でいくつもの公演をブッキングしていた。

いつからこんな動きがあったのか? クリングホッファーは自ら脱退を希望したのか? バンドはさっそくニューアルバムの制作に取り掛かるのか、それともツアーに専念するのか? 『Blood Sugar Sex Magik』や『Californication』などのフルシアンテ期の名盤を通しで演奏するチャンスとして今回の件を利用するのか? クリングホッファーと制作した2枚のアルバム収録曲を今後もライブで演奏するのか? 15日の発表をめぐる疑問は絶えない。いまのところ答えはないが、近いうちにレッチリがファンのために詳細を発表することを期待したい。さて、レッチリのジョン・フルシアンテ3.0期の幕開けだ。

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