3.「アンダー・ザ・ブリッジ」
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この曲はバンドにとって最大のヒットとなったが、そのミュージックビデオについて語る際に真っ先に思い浮かぶのは、ニットキャップを被ったフルシアンテが砂漠をバックに、愛用するFenderのジャガーでイントロのメロディを奏でる冒頭のシーンだろう。ヘンドリックスの「リトル・ウィング」のイントロを思わせるその指弾きフレーズについて、フルシアンテは「曲のほろ苦いムードを見事に捉えている」と語っている。「僕の脳にはすごく悲しい曲として響いたし、歌詞もとても切ないから、僕はもう少しだけハッピーなメロディを書こうと思ったんだ」ー H.S.
4. 2007年のライブでのジャムセッション
Joey Foley/FilmMagic『ステイディアム・アーケイディアム』ツアーにおけるハイライトは、必ずしも楽曲群ではなかった。それはタイトかつ大胆というバンドの真髄を体現する、ワイルドでファンキーなジャムセッションだった。それはフルシアンテの独壇場であり、2007年7月にポーランドで行われたコンサートのクライマックスは、その事実を雄弁に物語っている。1993年作「ソウル・トゥ・スクイーズ」と1991年作「パワー・オブ・イコーリティ」でアンコールに応えた後、アンソニー・キーディスは「フリースタイルの時間だ」と呼びかけた。約8分に及んだそのジャムセッションは、フルシアンテによる瞑想にふけるような小気味のいい反復フレーズで幕を開け、やがて宇宙の彼方へと飛び立っていく。ワウペダル、ディレイ、ジャジーなプレイなどを駆使しながら、彼は曲の印象を目まぐるしく変化させていく。興奮がピークに達する5分の時点で、目を閉じたままのフルシアンテの指は、フレットを暴力的かつ美しく駆け上がっていく。同じく見事なパフォーマンスを見せるチャド・スミスとフリーでさえも、ここでは必死にフルシアンテに食らいついているように映る。ー P.D.
5. 「愛はきらめきの中に」
Tim Mosenfelder/Getty Images
『ステイディアム・アーケイディアム』ツアーのショーの多くでは、「パラレル・ユニヴァース」や「スノー(ヘイ・オー)」といった人気曲の合間に、フルシアンテがビー・ジーズの「愛はきらめきの中に」をソロでカヴァーし、スポットライトを独占していた。ベルベットのようにスムーズな彼のファルセットにはギブ兄弟も太鼓判を押したに違いないが、彼はディスコのスタンダードをたぎるようなソウルへと昇華させてみせた。ー A.M.