麻薬カルテルを幇助したメキシコの元公安大臣が逮捕される

麻薬取引容疑とシナロア・カルテル収賄罪でアメリカで逮捕された、メキシコの元公安大臣(Photo by Dario Lopez-Mills/AP/Shutterstock)

米ニューヨーク東地区連邦検事局のリチャード・P・ドノヒュー検事は、3件のコカイン密輸及び密輸共謀罪、1件の虚偽申告罪を含む起訴内容を現地時間10日に公表した。ルナ被告はダラスで逮捕されたが、警察は被告をニューヨークへ移送して起訴手続きを進める方針だ。

「今日の逮捕は、犯行当時にどのような地位にいた者であろうとも、カルテルがアメリカ合衆国及びメキシコに甚大な害を及ぼすのに加担した人物に対し、正義を果たすという我々の決意の表れです」とドノヒュー検事は声明を発表した。

ルナ被告は2001年から2012年の間、複数のメキシコ政府の要職を歴任した。起訴状をはじめその他裁判資料によると、2001年から2005年にはメキシコ連邦捜査局のトップに就任。2006年から2012年には公安大臣として、メキシコの連邦警察を統轄していた。アメリカ側の主張によると、この間シナロア麻薬カルテルは被告に数百万ドルの賄賂を渡し、その見返りとして「安全な密輸経路、警察の手入れに関する機密情報、対抗カルテルの情報などを得、それによりコカインをはじめとするドラッグ数トンをアメリカ合衆国へ密輸していた」。

ドノヒュー検事らは少なくとも2回、シナロア・カルテルが3~500万ドルが入ったブリーフケースをルナ被告に直接渡していたこと、2012年にアメリカに移住するまで数百万ドルを懐に収めていたことを主張した。2018年に帰化申請を行った際、正式な書類で過去の犯罪歴について虚偽の申告を行ったとしても罪に問われている。

有罪となれば、ルナ被告には少なくとも懲役10年、最高で終身刑が求刑される。

Translated by Akiko Kato

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE