NARASAKIが明かすCOALTAR OF THE DEEPERSの変遷

音楽家は「ポリシー探し」が制作をしていく上で大事

─何をやるにしても、楽しくやる方法を見つけるのが大事なのかもしれないですね。

NARASAKI:いやほんとそうですよ。やっぱり音楽家は「ポリシー探し」が制作をしていく上で大事というか。音楽家として大事なのは、ずっとマイナーチェンジしながら「ポリシー」を探していくことだと思います。最近は現場に行くことを「仕事に行く」と言わないようになりました。ちょっと語弊があるかと思うんですけど、遊ぶ感覚で音楽を作るように出来たらいいなと思っていますね。

─去年、ポール・マッカートニーにインタビューしたときにポールも全く同じことを言ってたんですよ。「メンバーやスタッフが、『明日のライブ』を『明日の仕事(work)』って言ったときに、僕はいつも『いや、遊び(hobby)だろ?』って返す」って。

NARASAKI:その通りだと思います。「遊び」を全力で楽しむというか。それが毎日あったら最高だなって思いますよね。

─そういう風に心がけるようにしてから、NARASAKIさん自身にも変化はありましたか?

NARASAKI:ありました。歌直しとか、大量にあっても楽しくできるようになりましたね。「仕事に行かなきゃ」と思うのと、「さあ遊びに行こう」と思うのとでは家を出る時のモチベーションが全然違いますよね。それが出来るとしめたものだと思います。

─ところで新レーベルU-desper Recordsを立ち上げたのは、HOT TOASTERSが1993年にリリースしたメジャーデビューアルバム『Creek Dust』と、ニュー・アルバム『felucca』をリリースするためだったとか。

NARASAKI:彼らの1stは、COTDのファーストと同じタイミングでリリースされたんです。それを聴いた時に、「なんてよく出来たアルバムなんだ」と衝撃を受けた。でも、あまり話題にならなくて。使命感を覚えてしまったんですよね。「こんな素晴らしい作品が人に聞かれていないなんて、俺がなんとかしなければ」みたいな……それで、いろいろ力添えもいただきながら昨年リリースすることが出来て。で、その話題作りとしてCOTDを再開したところもあるんですよ。

─はははは!

NARASAKI:それが結構デカかったかな。

─HOT TOASTERSのどんなところが好きなのですか?

NARASAKI:ボーカル&ギターの千田(雅彦)さんは、純粋に天才だと思います。彼らの音楽性もいわゆるクロスオーバーなんだけど、ジェットコースター的にどんどん展開が変わっていく曲もたくさんあって。そういうのを自分たちの血肉として取り込んでいる。無理にくっつけている感じじゃなくて、曲の中の必然として展開していく、アレンジのセンスとかすごいと思うんですよね。あらゆる音楽に精通しているのに、どこにも寄らない。ずっと尊敬している存在です。

─そのHOT TOASTERSがオープニング・アクトを務める年末のライブについて、最後に意気込みをお聞かせください。

NARASAKI:まずHOT TOASTERSですが、素敵なバンドなので是非観てほしいですね。自分も、ちょっと乗っかる形で参加しようかなと思っています。そしてCOTDは今年、半年かけて月1、2でライブをやっていたのですが、今回はその集大成になればいいなと。COTDのワンマンとしては、LIQUIDROOMはこれまででも大きめなハコですし。メンバー全員大いに盛り上がりたいですね。


<INFORMATION>



“三十日と書いてミソカと読む”スペシャル
25 TH ANNIVERSARY“THE VISITORS FROM DEEPSPACE”TOUR 2019 -FINAL

2019年12月30日(月)東京・ 恵比寿LIQUIDROOM

OPENING ACT:HOT TOASTERS
開場・開演:OPEN 17:00 / START 18:00
チケット:¥5,500(税込/All Standing/1Drink別)
※12月11日に配信オンリーでリリースされた初期メンバーによる新曲「HALF LIFE」に加え、未発表曲「15 YEARS LATER」を収録したスペシャルな2曲入CDを入場者全員に配布します。

INFO:www.creativeman.co.jp


RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE