ザ・クラッシュ、パンクを未来につなげた名盤『ロンドン・コーリング』40年目の再検証

もうひとり、クラッシュ一家の一員だったシンガー、パール・ハーバーに取材することで、ロカビリーとクラッシュとの距離感がより明確になった。ストレイ・キャッツ登場以前にロンドンでロカビリーの再解釈に取り組んでいたホワールウィンドのナイジェル・ディクソンは、クラッシュが全面参加したパール・ハーバーのアルバム『Don’t Follow Me, I’m Lost Too』の音楽的キーパーソンで、後にポール・シムノンとハヴァナ3AMを結成することにもなる。彼らネオ・ロカビリー勢の動きにいち早く呼応したフシも『ロンドン・コーリング』にはあるのだ。ペニー・スミスがあのジャケット写真を撮影した日のライブも、前座を務めたのはロカッツだった。



日本でクラッシュの売り出しに貢献した元担当ディレクター野中規雄、東郷かおる子(元ミュージック・ライフ編集長)両氏にも話を伺うことができた。理想に燃えていたクラッシュについて、野中氏が言った「きっと彼らは負けてしまうんだろうと思いながら担当をしていた」という言葉は、取材を進める上で、我々編集チームの“裏テーマ”となったキーワードだ。

同じくインタビューに応じてくれたカメラマンの浅沼ワタルは、街で出くわす度に「今度スタジオにメンバーが集まるから撮りに来れば?」と気軽に声をかけてきたというジョーとの想い出を聞かせてくれた。バンドとのやり取りはマネージャーを介さず、いつもメンバー直だったというから、やはり特殊だ。

『ザ・クラッシュ  ロンドン・コーリング』の発売を記念して、DJ&トークショーを2020年1月/26日(日)16時から新宿BE-WAVEで開催。この日は浅沼ワタルをゲストに迎えて、ロンドンでクラッシュやセックス・ピストルズを撮っていた時期の話題を中心に、知られざるエピソードをたっぷり語って頂く予定だ。浅沼氏がパンク・シーンについて語ること自体、極めて稀なことなので、この貴重な機会をお見逃しなく(詳細はこちら)。




シンコー・ミュージック・ムック
ザ・クラッシュ ロンドン・コーリング

価格:1,500円+税
発売中
監修:本田 隆
A5判 144ページ
https://www.shinko-music.co.jp/item/pid1648625/



『ロンドン・コーリング40周年記念盤 – The Scrapbook』(Book+1CD)
完全生産限定盤:3000セット限定
スクラップブック仕様:ハードカバー豪華本+1CD
2019年11月15発売 SICP-31301~2 ¥6500+税



『ロンドン・コーリング40周年記念盤(クリア・ヴァイナル)』  London Calling (2LP)
完全生産限定盤:1500セット限定/日本のみCLEAR VINYL
ソニーミュージックグループ自社一貫生産アナログレコード 
2019年11月15日発売 SIJP-1012~3 ¥5800+税



『ロンドン・コーリング』(2CD)
通常盤2CD 
2019年11月15日発売 SICP-31309~10 ¥3000+税 
UKオリジナルLPシングル・ジャケットを復刻した紙ジャケット仕様

【40周年記念日本盤ブックレット】
日本側からの”時代の証言”(上記すべてのタイトルに収録)
*「歴史は証明したか」—元クラッシュ担当ディレクター:野中規雄
*「THE CLASHは“世界最高のロック・バンド”なんだ。」—KAZ UTSUNOMIYA
*「LONDON CALLING40周年に想う」—大貫憲章
*「透き通るように青いクラッシュの生き方が見事に映し出された全19曲。」—大谷英之

海外アーティストページ:https://www.theclash.com
日本アーティストページ:http://www.sonymusic.co.jp/theclash


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『レッツ・ロック・アゲイン!』
2019年12月21日(土)より新宿K’s cinemaにて2週間限定ロードショー
2004年/アメリカ/67分/デジタルリマスター版DCP
監督・製作・撮影・編集:ディック・ルード
製作・音楽:ジョー・ストラマー
出演:ジョー・ストラマー&メスカレロス
配給:アダンソニア、ブロードウェイ
(C) Rebel’s Wood LLC
http://www.ks-cinema.com/movie/lets_rock_again/

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