BMTHのオリーがブランド「DROP DEAD」を始めた理由

「DROP DEADは常にヴィーガンのブランドでもある」

ー例えば10年前と比較してみて、今の時代は何が一番違いますか?

オリヴァー 服を作っていても、今の方がもっと意味のあることをやりたいと思うようになったね。ちゃんとした目的だって持ってるし。それに、西洋社会ではファッションというものの捉え方が随分変わってきたんだ。10年前はみんな何だって買ってたよ。でも今はみんなが何にお金を使うのかにもっと注意を払ってる。かつてのDROP DEADは、ノンストップでとにかくモノ作りをしてた感じさ。でも今では小さなコレクションを作って、どのコレクションも完璧なものにしたいと思ってるから、ディテールにもこだわってる。それに、DROP DEADは常にヴィーガンのブランドでもあるから、動物性の素材は使わないんだ。今はそこからさらに推し進めて、地球に優しいモノ作りをしたいから、環境に配慮した素材を使うようにしてるんだ。


Photo by Yulia Shur

ーオリヴァーは以前、ロックがエッジを失ってしまったこと、今の時代はヒップホップが音楽もファッションも席巻していることを話していましたよね。今の若いロック・キッズのファッションはどうなっているんでしょう? 逆にヒップホップの子たちがパンクやメタルのようなファッションを楽しんでいますよね。

オリヴァー ファッションにおける境界線がなくなったのはある意味クールだと思うんだ。ヒップホップの子がロックスターみたいな格好をしてるのもいい。異なる世界の人が異なるファッションをしてみたいというのは面白いことだよ。今のDROP DEADのファンベースがどういうものかはひと言では言えないね。

ハリー 僕たちはある特定のグループの人たちに向けて服作りをしてないんだ。「こうあるべきだ」って押しつけるのも嫌だしね。一つのコレクションを発表する時は、これを心地良いと思ってくれる人に届けばいいと思ってる。特にCradle Of Filthとのコレクションはそうだね。Cradle Of Filthの大ファンならもちろん喜んでもらえるだろうし、そうじゃなくても、今は境界線なんてないんだから、ラッパーがCradle Of FilthのTシャツを着たってかまわないんだよ。そこを受け入れないとしたら、古いやり方でしかないね。だから、異なるジャンルであろうと当然ウェルカムだし、DROP DEADのことやCradle Of Filthのことをよく知らない人にとっては良い入り口になると思うんだ。だから、気に入ってくれたら最高って感じさ。

オリヴァー エリート主義なんて要らないからね。一度も聴いたことのないバンドのTシャツを着てる人のことをポーザーって言ったりするよね。でもそれで何かいいことがあるのかな。アートにしても同じで、好きになったアートの背景をすべて知ってる必要なんてあるのかなって思う。服なんて、感じ取るものがあればそれでいいんだよ。だって、たかだか服だよ。誰が気にするっていうんだ?(笑)


Photo by Jesse Kojima

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