レディオヘッドが公開したデジタルアーカイブサイト6つの見どころ

Photo Greg Allen/Invision/AP/Shutterstock

"音楽とテクノロジーの融合"という試みの最先端であり続けてきたレディオヘッドが、デジタルアーカイブサイトRadiohead Public Libraryを公開した。ボナルー・フェスティバルでのライブ映像、『キッドA』の断片映像、スタンリー・ドンウッドによるアートワークまで、バンドの歴史を包括するデータベースの見どころを紹介する。

音楽とテクノロジーの融合という試みの最前線に立ち続けてきたレディオヘッドが、膨大なコンテンツを時系列順にまとめた包括的アーカイブサイト、Radiohead Pubilc Libraryを公開した。

今週月曜日にローンチされた同サイトでは、バンドの全アルバムはもちろん、B面曲やアルバム未収録曲、舞台裏の写真の数々、テレビ出演時の映像、プロモーション用パフォーマンス、ウェブキャスト、フルレングスのライブ映像、各期のTシャツ(新たにリイシュー、現在注文可能)、スタンリー・ドンウッドによるアートワークなどが公開されている。

「インターネット上に散乱するレディオヘッドに関する情報の大半は断片的であり、不正確なものも少なくなかった」バンドが発表したステートメントにはそう記されている。「そういったものをまとめようとしたサイトの多くも、長くは続かなかった。その結果、Radioheadというワードを検索すると、正確なアートワークや追加情報が記されていない曲名やアルバム名、アルゴリズムによってシャッフルされた冒頭に広告が流れる低画質の映像等、いい加減なものばかりが表示されるようになってしまった。そういった状況を変えるためのもの、それがRadiohead Public Libraryだ」

強調すべきは「Public」という単語だ。同ライブラリーの利用は無料であり、ストリーミングサービスの有料会員でなくとも、あらゆる音源や映像の閲覧が可能となっている。バンドは過去数ヶ月の間に、ありとあらゆる作品をYouTubeにひっそりとアップしていたが、その背景にあったのはこのプロジェクトだった。

開設日となった1月20日から24日までの5日間、レディオヘッドの各ソーシャルメディアチャンネルを通じ、バンドのメンバー5人(トム・ヨーク、ジョニー・グリーンウッド、コリン・グリーンウッド、エド・オブライエン、フィリップ・セルウェイ)が司書として、それぞれのお気に入りのコンテンツを紹介する。またファンは、会員番号が記されたRadiohead Public Library会員証を作成することができる。

同ライブラリーのアーカイブ集の中から厳選された6つのコンテンツ、そして今後公開が期待されるものを以下で紹介する。

1. ボナルー・フェスティバルでのライブ映像
レディオヘッドは過去に2回、ボナルー・フェスティバルでヘッドライナーを務めている。2006年のパフォーマンスはバンド史上屈指の名演として知られており、ツインドラム編成で臨んだ2012年のパフォーマンスは『キング・オブ・リムス』ツアーにおける到達点となった。大抵のバンドなら、両公演の映像をIMAXで上映した後に、DVDやライブアルバムを発表するに違いない。10年以上前に、2006年のボナルー公演のライブアルバムが発表されるという噂が流れつつも実現しなかったが、Radiohead Public Libraryでは音質と画質ともに申し分ない両公演の映像が公開されている。同ライブラリーでは他にも、1997年のBelfort Festivalから2016年のOsheagaまで、プロによって撮影された様々なフェスティバルでのパフォーマンス映像を視聴することができる。

Translated by Masaaki Yoshida

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