コービー・ブライアントが事故死、5度のNBA制覇を果たしたレジェンド

根っからのレイカーズファンであるレッド・ホット・チリ・ペッパーズのフリーは、2016年にブライアントの引退試合に敬意を表して米ローリングストーン誌に以下のように語っていた。さらに、フリーはロサンゼルスで行われたブライアントの引退試合でアメリカ国歌を演奏した。

「コービー・ブライアントがプレイしたほぼ全試合を観たり、試合のことを耳にしたり、あるいは記事を読んだりしてる」とフリーは言った。「彼は、規律と勤労意欲に重きを置き、クリエイティビティを育んだ人物だ。いつのときも、俺は彼に対して多大なる敬意を抱いてきた。コービーが若くて傲慢で愚かで、誰もが知るように自己中心的だった頃もね。コービーはいつも俺にとってかけがえのない存在だった」

「なんだろう、コービーのことはいつもチャーリー・パーカーとか、ジョン・コルトレーンとか、ジミー・ペイジとか、ジミ・ヘンドリックスみたいに自分が好きな人物として見てきた」とフリーは続ける。「コービーは変化し、進化し、成長することで自分の技術をマスターした。彼の成長を見守るのは最高だったよ。だって、レイカーズに入団したのは17歳のときだったから。それ以来、ロサンゼルスのためにあまりに多くの貢献をしてくれた」

米現地時間1月26日、フリーはソーシャルメディアで哀悼コメントを発表した。

2018年、ブライアントにはアカデミー賞受賞というサプライズが待っていた。ブライアントが脚本を、作曲家ジョン・ウィリアムズがスコアを手がけた映画『親愛なるバスケットボール』が第90回アカデミー賞短編アニメ賞を受賞したのだ。だが、ブライアントのオスカー受賞はいくらかの物議を醸した。#MeToo運動が活発になるにつれ、2003年にブライアントがコロラド州のリゾートホテルで女性従業員に性的暴行を加えて起訴された事件が再び取り沙汰されるようになったのだ。ブライアントは当時、合意の上での性行為を主張していた。マスコミからの批判の嵐が吹き荒れると、原告女性との間に示談が成立したため、最終的に女性は法廷での証言を拒否する結果となった。

ブライアントの衝撃的な死のニュースは、レイカーズのレブロン・ジェームズ選手がブライアントの記録を抜いて歴代3位の通算得点をマークした数時間後にもたらされた。25日の試合でジェームズは“MAMBA 4 LIFE”と敬意を込めてスニーカーにメッセージを刻んでいた。「コービーはレジェンドだ。それだけはハッキリ言える」と25日にジェームズはコメントしていた。「高校からまっすぐNBAに入団する姿を見て、触発されたんだ。当時は、マジかよって衝撃を覚えた。17歳のガキがNBAに入ってインパクトを与えるなんて。これは俺のモチベーションになった。コービーは、彼が実現してくれたことのおかげで、俺を知るずっと前から俺をサポートしてくれてたんだ。だから、こうしていま、彼と同じジャージを着てNBAという歴史的な団体の一員として、紫とゴールドを背負えるのはとても光栄であると同時に本当に最高の気分だ」

ブライアントの訃報を受け、26日の第62回グラミー賞授賞式の舞台でもあるステープルズ・センターの周りにはファンが集まり、レイカーズのレジェンドの死を偲んだ。



Translated by Shoko Natori

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