「ヒプノシスマイク」で異彩を放つ新鋭ナゴヤ・ディビジョン、声優3人が語るその魅力

左から四十物 十四役の榊原優希、波羅夷 空却役の葉山翔太、天国 獄役の竹内栄治(Photo by Kana Tarumi)

TVアニメ化や舞台化など、2020年も勢いを止まることを知らない音楽原作キャラクターラッププロジェクト「ヒプノシスマイク」。昨年新たに2つのチーム、オオサカ・ディビジョンとナゴヤ・ディビジョンが登場。RSJはそのなかでもナゴヤ・ディビジョン「Bad Ass Temple」に注目。音楽性もドラマの内容もこれまでのヒプノシスマイクとは少々カラーが異なるその背景を探るため、波羅夷 空却役の葉山翔太、四十物 十四役の榊原優希、天国 獄役の竹内栄治に話を聞いた。

―撮影中も皆さん仲良さそうに喋ってましたけど、普段からこんな感じなんですか。

竹内:はい。知り合ってから割とすぐに飲みに行ったりもしていて、そのあたりから空気感はずっとこんな感じですね。

榊原:大阪城ホールのお披露目ライブ(ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- 4th LIVE)の時、「Bad Ass Temple」じゃなくて「Good Ass Temple」って呼ばれたりするくらい(笑)。

竹内:全然Badじゃない(笑)。

葉山:いいヤツらだ!って言われて。ステージに出る前も裏でずっとガチガチだったよね。

竹内:ライブ当日はリハの途中で現場入りして、自分達のリハが終わってから本番の終わりの方まで、5時間くらいは待ったんじゃないかな。

榊原:ステージ出たらどうなるんだろうってずっと考えながら(笑)。

竹内:僕らの控え室にはモニターがなかったんです。だから漏れてくる音で察するみたいな。

葉山:熱気とかね!

榊原:「ワーッ!!」って聞こえてきて、ビクッてしたり(笑)。

ーヒプマイのライブを体験するのも初だったんですか?

葉山:そうですね。

竹内:資料として事前にチェックしたライブ映像で、ものすごい盛り上がりになるだろうと予想していたこともあり、新幹線の中から僕は緊張してました(笑)。

葉山:しかも新ディビジョンについて何も告知されてなかったじゃないですか。本当に緊張感ありました……。そして実際に出てみて、規模と盛り上がり方がハンパなかった。



―ヒプマイのライブってキャラソンとはまた違うタイプのスキルを求められると思うんですけど、ナゴヤ・ディビジョンに参加することが決まってどんなことに取り組みました?

葉山:僕はそもそもラップっていうものを知らなかったので、知識をつけるためにいろいろ調べました。音楽を聴くのはもちろん、MCバトルの映像をYouTubeの公式チャンネルでチェックしたり、Zeebraさんの本を読んだり。ラップのビートも「最終的に体で覚えるようにしてください」って言われていたので、感覚的に捉えられるようになるまで必死でしたね。

竹内:ラッパーの方が自分の気持ちをどうやってお客さんに伝えているかとか、ライブの所作を知るために映像をたくさん見ました。

榊原:十四くんの場合はヴィジュアル系のバンドマンっていう要素もあるので、ずっと音楽を聴いてました。前提となる知識も勉強してたんですけど、やっぱり聴かなきゃ!と(笑)。そしたら自分が昔見てたTVアニメのOPやEDをヴィジュアル系の方が歌ってたりとか、意外と接点があったんですよね。それこそラップについても、自分が意識してなかっただけで振り返ってみると意外とあったなぁと思って。

―ヴィジュアル系のバンドマンの友だちとかって、周りにいらっしゃるんですか。

榊原:全然周りにいなくて、完全に独学というか……。曲を聴きながらそもそもヴィジュアル系って何なんだろう?って、一つの学問みたいな(笑)。

竹内:一括りに言っても、その中でいろいろ分かれてるから難しいですよね。

榊原:そうなんですよ。これをやればいい!みたいなことでもないだろうし、どういう部分で「ヴィジュアル系」と規定されてるんだろう?とか。

竹内:真面目!

榊原:それでもよくわからなくて、楽曲を聴いて「なるほど……こういうことかもしれない」と。つまり、ヴィジュアル系の“ヴィジュアル”っていうのは、曲のイメージ、メンバーの衣装、ライブの所作などを含めて、音楽の世界観を作り込んでいくことなのかなとか。

―でも、だいぶ十四のキャラクターは完全にヴィジュアル系のバンドマンだなと思いましたけどね。やっぱりいじめられてて拗らせてっていう感じとか、ややメンヘラ的なところとか、すごいヴィジュアル系のバンドマンっぽいなと思いました。お会いしたら全然その要素がないので……。

榊原:何もないところから、ヴィジュアル系の方々のカッコよさの素って何だろうっていうのを自分なりに考えて取り組んだので、そう言っていただけてうれしいです。ありがとうございます!

―十四のソロ曲「月光陰-Moonlight Shadow-」は、今までのヒプマイの曲の中でたぶん一番ロックですよね。

榊原:ひたすら「自分は今、バンドマンだ!」って思いながら、ノリノリで録りましたね。



―憑依してる感じ?

榊原:自分の素ってところで言うと、僕は本当にネガティブでカッコよさからは程遠いところにいるので(笑)、その瞬間は「自分は今、十四くんだ!」って思いながらやってますね。目の前にいっぱいお客さんがいて、その方々に向かって我が魂の叫びを届けるんだ!みたいなテンションでやってます。歌い終わって「ありがとうございました! だ、大丈夫でしたかね?」ってすぐに言って、それで笑われてましたね(笑)。

竹内:ギャップがズルいんだよね!

葉山:十四が元々そんな感じだよね。

榊原:たしかに! 二面性はあります。

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