Interscope RecordsのCEO、ジョン・ジャニックが語る仕事の極意

Interscope RecordsでCEOを務めるジョン・ジャニック(Photo by RICH POLK)



「最も有益だったアドバイスは『我慢すること』です」

ーレーベルの代表として、どういった点でライバルたちとの差異化を図っていますか?

当社と同規模のレーベルの大半は、A&Rとマーケティング、それにオペレーションの部署がそれぞれ独立していますが、私はその全てに積極的に関与しています。そういった姿勢は、過去に自身のレーベルを運営していた経験からきています。それにInterscopeは昔からやや左寄りのスタンスで、文化の進歩に貢献してきました。ディズニーの『ブラック・パンサー』やワーナーの『アリー/ スター誕生』とのパートナーシップも、長年かけて培ってきた映画業界との親密な関係の中から生まれたものです。最近ではiPhoneで撮影されたセレーナ・ゴメスの新しいミュージックのビデオのローンチにあたって、Appleと大規模なパートナーシップを締結しました。それは当社にとっても、優れたアートをユニークな方法で世界に発信する初めての試みでした。単にミュージックビデオを撮って曲をメジャーなプレイリストに入れようとするのではなく、よりインパクトのある方法で楽曲の魅力を伝えようと考えたんです。

テレビや映画、ラジオといった伝統的なメディアだけでなく、従来とは異なる形態のラジオ局、あるいはYoutubeやAmazon、ソーシャルメディアのインフルエンサーたちなど、曲をヒットさせるためのチャンスは至るところにあります。私はその全てにまんべんなく燃料を注入したいのです。

ーアーティストたちとはどのように関わっていますか? 特に彼らが困難に直面している時の接し方について教えてください。

大切なのはアーティストたちとの信頼関係を築くことです。入社当初、私は新顔でしたが、多くのアーティストたちは既に何年もの間ここに籍を置いていました。だから私は、全てのアーティストが歩んできた道のりについて学ぶことにしました。例えばレディー・ガガの場合、『アートポップ』の後にトニー・ベネットとのデュエットアルバムを発表し、スーパーボウルのハーフタイムショーに出演し、アカデミー賞でパフォーマンスを行なった等です。アーティストの信頼を勝ち取る上で大切なことは、彼らが求めているものをはっきりと理解した上で対話すること。そうすることで彼らは徐々に心を開き、こちらの意見に耳を傾け、次にすべきことについて一緒に考えることができるようになるのです。

しかしより若い、今最もホットであらゆるレーベルが契約したがっているようなアーティストなどに接する時、私は「君はうちにいたいと感じているはずだ」といった風に強気な態度で臨むこともあります。腹を割って話せるようになるには、互いに理解しあうことが不可欠です。キャリアが順調ならば問題ありません、達成感を共有するだけです。しかしそうでない場合は、誰かを責めようとするのではなく、チームが一丸となって突破口を模索しなくてはいけません。アーティストのためにベストを尽くす、そういう日々の積み重ねによって、家族のような一体感が生まれていくんです。

Translated by Masaaki Yoshida

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