Interscope RecordsのCEO、ジョン・ジャニックが語る仕事の極意

「以前よりも多くのことを考慮しなくてはいけないのも事実」

ーストリーミング時代の到来によってアーティストとレーベルの関係は大きく変化し、現在はアーティストの持つ力がかつてなく大きくなっているとされています。それはあなたの仕事のアプローチに影響を及ぼしていると思いますか?

レーベルとアーティストの両者にとって、いろんなことがやりやすくなったと思います。以前はとりあえずシングルを出してみて様子を見るといったやり方が基本でしたが、今は何が受けているかを見極めやすくなりました。また世間が曲に対してどう反応しているか、そこからどういった動きが派生しているか、そういったこともクリアになりました。曲やアルバム、あるいはミュージックビデオへの反響は一目瞭然です。

ー音楽業界が劇的な変化を迎える以前、あなたはFueled by Ramenを設立しています。今新たにレーベルを始めるとしたら、以前とは異なるやり方を選びますか?

私はいいタイミングでレーベルを始めたと思います。当時はインターネットによって、音楽業界の敷居が下がり始めたばかりでしたから。私はストリートを中心としたマーケティング、そしてインターネットによってアーティストたちを世に送り出しました。今新たにレーベルを始めるとしたら、アーティストを成功させるためのより多くのツールと資金を有している一方で、以前よりも多くのことを考慮しなくてはいけないのも事実です。新しいアーティストを売り出すにあたって、その音楽が優れているかどうかだけでなく、人々がそれにどう接するかという点を考えなくてはなりません。そのアーティストのファンベースの規模を見極めるためには、視聴回数やフォロワー数、エンゲージメント、コンサートの集客数、グッズの売り上げなど、あらゆる数値に目を通さなくてはいけません。

ー仕事の疲れを癒すための日課などはありますか?

子供たちと妻が寝る前に、必ず彼らと顔をあわせるということですね。それが私にとって何よりも大切なことです。2人の息子はそれぞれ4歳と7歳で、珍しく休みを取った日には必ず家族と一緒に過ごしています。



連載:AT WORK
音楽業界を牽引する人々の舞台裏に迫る、米ローリングストーン誌の連載「At Work(アット・ワーク)」

Translated by Masaaki Yoshida

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