スーパーボウル・ハーフタイムショー、歴代出演者31組の格付けチェック

4位〜1位

4位:エアロスミス、ブリトニー・スピアーズ、イン・シンク、ネリー、メアリー・J・ブライジ(2001年)




タンパで行われた第35回スーパーボウルのステージで、エアロスミスのスティーヴン・タイラーと並ぶブリトニー・スピアーズ(左から2番目)と、イン・シンクのジャスティン・ティンバーレイクとランス・バスと並ぶネリー(右から2番目)(Photo by Amy E Conn/AP/REX/Shutterstock)


このショーに関しては、未だに賛否両論が巻き起こる。傑作か、それとも狂気の沙汰か? 個人的にはどちらも正しいと思う。GIFタトゥーなるものが発明されれば、真っ先に「Walk This Way」のタトゥーを顔に入れるつもりだ。当時、このショーはスキャンダルを巻き起こした。数カ月後、エアロスミスがロックの殿堂入りしたとき、キッド・ロックが式の最中にこう尋ねた。「一体何を考えてたんだ?」。 だが「Walk this Way」はTV放映史上最もイカれた3分間のスペクタクルに違いない。シルバーのアメフトパンツを履いて、「遊ぶ気満々のあの娘」(「Walk This Way」の歌詞に登場する「Missy Who Was Ready to Play」)役を演じるブリトニー。一緒に声を張り上げるメアリー・J・ブライジ。ジョー・ペリーのギターソロをバックにラップを披露するネリー。まさに、誉れ高い低俗なアメリカのポップミュージックの歴史が、このパフォーマンスに凝縮されている。


3位:ビヨンセ(2013年)


Photo by Mark Humphrey/AP/REX/Shutterstock


彼女がスキマ時間に密かに何をしていたか知った今振り返ると、ビヨンセのスーパーボウルでの偉業にはさらに驚きが増すばかりだ(恐らくスーパードームから真っ直ぐスタジオへ直行し、リムジンの中で「Partition」を作ったのだろう)。ビヨンセは「Crazy in Love」「Baby Boy」「Independent Women」と、超人的なレパートリーで世界を圧倒した。デスティニーズ・チャイルドの再結成ではケリー・ローランドとミシェル・ウィリアムズが魔法のようにステージに登場。だがビヨンセの感情を爆発させるような「Halo」で観客の熱は頂点に達した(「みんな私に手を向けて――みんなのエネルギーを感じたいの!」)。この素晴らしい女性と同じ時代に生まれるとは。


2位:プリンス(2007年)




マイアミのドルフィン・スタジアムで行われた第41回スーパーボウルのハーフアイムショーでのプリンス。(Photo by Chris O’Meara/AP/REX/Shutterstock)


プリンスが歴代最高のショーを見せてくれることは、誰もがわかっていた。だが彼は雷鳴轟く嵐のマイアミで、その期待をさらに超えてみせた。フーファイターズのカバー? 「We Will Rock You」からの「Let’s Go Crazy」? 「All Along the Watchtower」? 「Purple Rain」での伝説のギターヒーローのジャム? このセクシー野郎が次にどんなサプライズを繰り出すのかなんて誰も知らなかった――スーパーボウルのような一大イベントで、ロックンロールは歴史的な威力で尊大さを爆発させた。完全無欠。ただただクール。


1位:U2(2002年)


Photo by Theo Wargo/WireImage


U2はライヴ・エイドの「Bad」と並ぶ、正真正銘のTVロックライブの名場面を生んだ。9.11から数カ月後、U2はこのステージを被害者たちに捧げた。「Beautiful Day」で幕を明け、哀愁たっぷりに「MLK」を演奏する中、巨大スクリーンには亡くなった人々の名前が映し出された。忘れられない光景の後、クライマックスの「Where the Streets Have No Name」へ。最後にボノがジャケットの前をはだけ、裏地に縫い付けたアメリカ国旗を覗かせた。まだ反戦、反暴力の意識が高かった当時のアメリカに向けた、あの当時ならではのステージだ。こうしたメッセージを壮大に、かつ感情にダイレクトに訴えることができたのはU2だけだろう。大の大人が号泣した。U2がこれまで抱いた野望、彼らが発した崇高な主張は、今宵に全て繋がった。

Translated by Akiko Kato

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